1 - 7 ヒカルの貫徹(別れ)
「パアーン!」
空き缶が弾け飛んだ。
「よしッ。うまくいった。免許皆伝だな」
ヒカルは、最初から比べれば、かなり大きな光の球を操れるようになっていた。
ゴウが教えてくれたのは、
ヒカルは始め、積極的に
タクも、ゴウから習うことで、コントロールがうまくなったようだった。
この数日の間に、ヒカルはゴウからは色々な話を聞いた。見た目はもう少し若いが、彼は三〇歳を過ぎている。
幼少期には喧嘩っ早い性格であったらしい。小学校高学年で
中学校部を卒業になると、外部の高等学校に
しかし、その後に行かされたのも、やはり自由のない場所であった。当然、魔力を抑える薬は毎日呑まされた。彼によると、
「あの薬、最悪だよなあ。おれの場合の副作用は食慾だった。でも、決まった食事しか出ない」
ゴウは、或る日、そこから脱走した。
いまは、この
「それじゃあな。旅、続けるんだろ」
タクが、
「はい。色々、有難うございました」
ヒカルも
「お世話になりました。明日、明るくなったら出発しようッて、話しています」
「そうか。おれは見送りには来ないからな。じゃあな……」
(第1話 おわり)
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