3 - 3 トモカが質問(出会い)

 キラキラ部は、キラキラというスポーツ等がある訳ではないので、いわゆるサークル名である。ファッション誌で読者モデルに選ばれるような女子たちが集まっている。近年は、この大学のミス・コンテストの優勝者をも輩出している。

 トモカとミホが、部室サークルのへやを訪れると、真ん中に円卓があって、各々携帯電話を弄っていたり、化粧品を触っている女の子たちが椅子に坐っていた。パイプ椅子が幾つか壁際に散っていて、男子学生がいる。ビラを渡してきたヒロトとその友人だ。ホワイトボードには、何やら名前が羅列してあった。

 トモカと目が合った金髪の女の子が、

「ああ、来たみたいだよ。ヒロト」

 すると、ヒロトが立って目を輝かせ、

「来てくださったんですね。どうぞ」

 入って直ぐ左横、手前のソファを案内した。

 言われた通りに二人が座ると、

「じゃあ、ヒロト」

 指示された彼は、ホワイトボードを使いながら、

「はい。いま話したのが今井美雪イマイ ミユキさん。そして、こちらが涼木朱里スズキ アカリさん。お二人とも、四年生です。そして、こちらは、ぼくらと同じ二年生で寺門向日葵テラカド ヒマワリさんです」

「上出来のしゃべりだね」

 ヒマワリと紹介されたロングヘアーの女の子が言った。

 ヒロトが、

「このボードにある通り、キラキラの部員にはランクがあります。ミユキさんたちは、A級なんです。S級の方たちは、芸能活動にも忙しくて、なかなかここには来ません」

 トモカの横に坐っているミホは、それを聞いて苦い顔をして、

「ランク付けなんて、してるんだ。ねえッ」

 トモカは、

「うん……」

「御心配はいりません。カシワギさんたちなら、直ぐにA級にいけますよ」

 すると、ヒマワリが、

「そう言って、お前が連れてきた疫病神のせいで、アヤカが地龍モグラに襲われたんじゃないのか? 大丈夫か?」

 トモカが、

「ああ、そのことをお聞きしたいんです。そのアヤカさんは、どうしてターゲットにされたのかと思って……。疫病神って……」

「えーっとね……、ヒロトっ!」

安田彩花ヤスダ アヤカさんというB級の一年生が地龍モグラに怪我させられたのですが、それは、本当は軒先美桜ノキサキ ミオさんを狙っていたようなんです」

「そうだよ。そうに決まってるじゃん。あれから、ミオさま、学校休んでるみたいだし」

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