3 - 4 トモカが認識(成長)

「ミオなんだ……」

 トモカの横でミホが呟くと、ヒロトが、

軒先ノキサキ財閥のお嬢様なので、影でそう呼ぶ人たちがいます。地龍モグラが出てから授業に来ていないらしいので、多くの人たちは心配していますが……」

 ヒマワリが、ちょっと怒った顔で、

「わたしが悪い人みたいじゃないか。それに、みんな心配してるッて!? お前ら男がだろう? ミオ様が通る度に、ニヤニヤしちゃって」

 不思議そうな表情のトモカとミホに、ヒロトは、

「カシワギさんたちは見たことなかったですか? 背の高いイケメンと腕組んで歩いているツインテールの髪形の人を。それが、ボディーガードの人とノキサキミオさんなんですが……。確か、ミオさんは文学部だから、教育学部のカシワギさんは同じ場所はあまり歩かないかも知れませんね。ノキサキミオさんは、非常に美しく魅力的な人です」

 これを聞くヒマワリは、呆れ顔だ。

ちちがデカいだけじゃないか」

「それはですね……」

「ヒロトと議論する気はないッ!」

 ミホがトモカの方に、

「なんだか激しい子たちだね」

「うん」

 四年生のミユキとアカリが、

「ヒマワリちゃん、熱くならないの」

「そうだよ。新人さんが怖がってるじゃない」

 ミホが驚いて、

「いいえ、わたしたちは、まだキラキラに入るかどうかは……」

 アカリが、

「そうなの? それじゃあ、どうして」

 トモカは、

「ああ、そうでした! わたしは、地龍モグラを退治した人のことを知りたくて来ました。魔性マセイという噂を聞いたので」

 ヒロトが、

「それなら、ミオさんのボディーガードの男の人が魔性マセイだったそうです。その人が、アヤカさんを助けたんです。……ああ、そうか。カシワギさんは魔性マセイの子供に興味があるのでしたね」

「それで、アヤカさんという人がターゲットにされたのは、ミオさんとどう関係があるのでしょうか」

「それは、アヤカさんがミオさんと仲良くしていたからです。そして、襲われた日には、アヤカさんはミオさんからタオルを借りて持っていたんです。地龍モグラは、その匂いに反応したに違いないんです」

「トン、トン、トントン」

 外から物音がしてきて、女の子が顔を出すと、

「ミオ様が来てるみたいです!」

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