恵美らしさの、歩み

第79話 星空のプロジェクト

恵美のデイサービスでは、仲間たちが自由にプロジェクトを提案し、学ぶ機会が年に一度設けられています。恵美は天文学に興味を持っており、今年のプロジェクトで「星空の観察と写真撮影」を提案しました。彼女の目的は、クラスメートと一緒に夜空の美しさを学び、共有することにありました。

プロジェクトが承認されると、恵美は準備を始めました。まず、天文クラブの指導のもとで、星座の基本や天体望遠鏡の使い方を学びました。次に、友達を集めて夜間の星空観察会を計画し、最適な日を選びました。その日は新月に近く、星がよく見える条件が揃っていました。

観察会は地元の丘で行われました。恵美と参加した仲間たちは、毛布やお茶を持ち寄り、寒さ対策もバッチリでした。恵美は自分の手持ちの望遠鏡を設置し、星座ガイドを使って、仲間たちにそれぞれの星座を指し示しました。

最も印象的だったのは、オリオン座と冬の大三角を見つけた瞬間でした。星の配置とその背後にある神話について説明すると、仲間たちはその話に魅了されました。恵美自身も、自分が共有する情報によって友人たちが星空に興味を持ち始めるのを見て、大きな喜びを感じました。

観察会の後半では、恵美は特別に用意したカメラで星空の写真を撮影しました。長時間露光によって撮れた写真は、星々が織りなす光の帯を捉えており、その美しさに参加者一同が感動しました。この写真は後日、学校の掲示板に展示され、他の生徒や教師たちにも星空の魅力が伝わりました。

プロジェクトの終わりに恵美は、得た知識と経験を元にレポートを作成しました。このレポートでは、観察会の様子、学んだこと、撮影した星空の写真を共有し、天文学の基本から星空の美しさを伝えることに努めました。

このプロジェクトを通じて、恵美は自分の興味を深めるだけでなく、仲間に新たな発見の楽しさを教えることができました。星空の下での一夜は、彼女にとって忘れられない学びの体験となり、星への情熱を一層強くしたのでした。