第13話 いちごのケーキと一緒に成長する

春のある日、恵美は母の美咲と一緒に特別なプロジェクトに取り組むことにした。それは恵美の大好きないちごのケーキを一緒に作ることだった。恵美は以前から料理に興味を持ち始めており、今回が初めてのケーキ作りとなる。


朝からキッチンで材料を準備し、美咲が丁寧にレシピの手順を説明する。「まずはバターと砂糖をしっかりとクリーム状にするのがポイントよ」と美咲が指導しながら、恵美はミキサーを使って一生懸命バターと砂糖を混ぜた。


「こんな感じで大丈夫かな?」恵美が不安げに美咲に確認を求めると、美咲は優しく微笑みながら「バッチリよ。次に卵を加えていくわね」と助言した。恵美は卵を一つずつ慎重に割り、ケーキ生地に混ぜ込んでいった。


生地が滑らかになると、二人でケーキ型に流し込み、オーブンで焼く準備を整えた。恵美はワクワクしながらオーブンのタイマーをセットし、「ケーキが焼けるのを待つ間、何をしようか?」と楽しそうに言った。


焼きあがりを待つ間、恵美と美咲はいちごを洗い、ヘタを取る作業に取り掛かった。恵美は一つ一つ丁寧にいちごを処理し、「これでデコレーションするのが楽しみ!」と言いながら、いちごをきれいにスライスした。


ケーキが焼き上がると、美咲が取り出し、冷ましてから恵美がデコレーションを始める。「ママ、こうやって飾ると綺麗?」と確認しながら、恵美はいちごとホイップクリームを使ってケーキを飾り付けた。彼女の創造力が光る美しいケーキが完成すると、美咲は「素晴らしいわ、恵美!まるでプロのパティシエみたい」と褒め称えた。


ケーキ完成の瞬間を家族で共有し、切り分けて味わう時、恵美は自分の作ったケーキが家族に喜ばれるのを見て、大きな達成感を感じた。「おいしいね!」と家族からの賞賛の声が飛び交い、恵美はこれが自分の新たな趣味になるかもしれないと感じていた。


その日の夜、恵美はこの体験を日記に記録し、「今日、初めて自分でケーキを作って、とても楽しかった。これからもっといろんなお菓子を作ってみたいな」と書いた。この日の経験は、恵美に新しい自信と喜びをもたらし、母娘の絆をさらに深める素敵な思い出となった。

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