第12話 デジタルの窓

恵美の誕生日が近づき、幸太郎と美咲は特別なプレゼントを用意することに決めた。それは恵美自身のパソコンだった。在宅学習を進める中で、より多くのリソースにアクセスしやすくするための手段として、彼女にとってこれ以上ない贈り物となる。


誕生日の朝、恵美はリビングに呼ばれ、目隠しをされた。そして、目隠しを取るとそこには新しいパソコンが飾られていた。「これ、恵美のためのパソコンだよ」と幸太郎が言うと、恵美は信じられないような顔で驚喜の声を上げた。


最初の数日間、幸太郎と美咲は基本的な操作やインターネットの安全な使用方法について恵美に教えた。恵美は特にデジタルペインティングに興味を持ち、すぐに様々なアートプログラムを使いこなしていた。


学習の幅も格段に広がり、恵美はオンラインの教育プラットフォームを使って、数学や科学の授業に参加するようになった。それらのプラットフォームでは、世界中の他の生徒とも繋がることができ、新しい友達もできた。


ある日、恵美は自然科学のプロジェクトで、自宅近くの生態系についてのプレゼンテーションを作成する課題を受けた。彼女は地元の公園を訪れ、植物や動物の写真を撮り、それをパソコンで編集して、プレゼンテーションに盛り込んだ。


プレゼンテーションの日、恵美はオンラインで世界中のクラスメイトに向けて発表を行い、大きな成功を収めた。彼女のプロジェクトは、地元の環境保護活動に対する意識を高めるものとして評価され、担当教師から特別な称賛を受けた。


その夜、恵美は自分の日記にこの一連の出来事を熱心に記録した。「パソコンを使って、世界中の人々と繋がることができるようになった。自分の勉強だけでなく、地球のことももっと学べるようになって、本当にうれしい!」と書いた。


この新しいデジタルの窓から見える世界は、恵美に無限の可能性を教えてくれた。パソコンという道具を通じて、彼女の好奇心はさらに広がり、学びへの情熱もより一層深まることになった。

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