恵美らしさの、歩み

第11話 たこ焼きパーティーの日

ある暖かい日曜日、恵美の家族は近所の公園で開かれるコミュニティーフェスティバルに参加していた。その日の目玉イベントは、地元の料理コンテストで、恵美の家族は「たこ焼き作り」に挑戦することに決めていた。

朝早くから、幸太郎と美咲はフェスティバルの会場で準備を始める。特別に用意された大きなたこ焼き器には、子どもたちが夢中になりそうな大きな穴があった。通常のたこ焼きよりもずっと大きく、それぞれがサッカーボールほどのサイズになる。

恵美は大きなたこ焼きを見て目を輝かせ、「これ、本当に上手に焼けるの？」と興味津々で父に尋ねた。幸太郎は「大丈夫、ちゃんと練習したからね」と笑いながら答え、準備を進めた。

たこ焼き作りが始まると、恵美は両親と一緒に生地を準備し、大きな穴に流し込んだ。具材はたっぷりのタコとネギ、そして特別に用意されたチーズも加える。恵美は生地が流れ出さないように慎重に穴に流し込み、幸太郎がそれを丁寧に回転させた。

焼き上がりには時間がかかるが、美咲は観客を楽しませるために、たこ焼きの歴史やおすすめの食べ方について話して時間をつないだ。恵美もたまに口を挟みながら、フェスティバルの雰囲気を楽しんだ。

ついにたこ焼きが完成し、恵美は最初の一つを試食する権利を得た。外はカリカリで中はとろっとしていて、たこ焼きソースとマヨネーズ、青のりが完璧にマッチしていた。「すごい！美味しいよ！」と恵美が大声で叫び、周りの人々もその味を試すために列をなした。

その日のイベントは大成功で、恵美の家族のたこ焼きは「最も創造的な料理」として賞を受賞した。恵美はその日のことを日記に大きく記録し、「たこ焼きを綺麗に焼くことができて、すごく嬉しい！」と書いた。この経験が恵美にとって新たな自信と楽しい記憶をもたらした日となり、家族の絆もさらに深まった一日だった。