第4話 図書館の冒険

ある曇りの土曜日、恵美は母の美咲と一緒に地元の図書館へと足を運んだ。図書館は恵美にとって、冒険が詰まった宝箱のような場所だ。広いホール、壁一面の本棚、そして静寂が支配する読書スペースが、彼女の好奇心を刺激する。


「今日は何を借りたい?」美咲が尋ねると、恵美は思いっきり笑顔で答える。「冒険物語!」


二人は手をつなぎながら、児童書のコーナーへ向かう。恵美は色とりどりの表紙に目を輝かせながら、一つ一つの本を手に取る。やがて、彼女の目が大きな本に留まり、興奮して美咲に見せる。「ママ、これ!」と言って、『海賊の宝探し』と題された本を指さす。


美咲が笑顔でうなずくと、恵美は本を抱えて読書スペースへと走る。美咲も後に続き、二人でソファに座る。美咲は本を開き、海賊たちの壮大な冒険が始まる。恵美は目を輝かせながら、美咲の読む声に耳を傾ける。


読み進めるうちに、恵美は自分も海賊船に乗っているような気分になる。波の音、風の匂い、そして宝の地図が織りなす物語に、彼女は完全に引き込まれる。


「ママ、僕たちも宝探しができるかな?」恵美が夢中で尋ねると、美咲はにっこり笑って「もちろん!」と答える。その日の午後、二人は図書館で自分たちの宝探しゲームを始める。隠された手がかりを見つけるたびに、恵美の興奮は高まる。


遊びが終わる頃、恵美は満足感でいっぱいだった。彼女と美咲は、本を何冊か借りて家に帰る。家に帰った後、恵美は自分の日記にその日の冒険を熱心に記録する。


「今日は本当の冒険家になった気がする!」と恵美は書き留める。そして、彼女の目は次の図書館訪問で何を発見するかを夢見ていた。この日、恵美の心には新たな物語と冒険への憧れが刻まれた。

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