恵美らしさの、歩み

第3話 海老との出会い

週末の朝、恵美の家族は地元の海鮮市場に出かけることに決めた。市場の賑わいと海の匂いが空気を満たしている。恵美は初めての海鮮市場訪問にわくわくしていた。彼女の目は、色とりどりの魚や貝に釘付けになる。

「今日は何を買おうかな？」美咲が楽しそうに聞く。

「エビがいい！」恵美が元気よく答える。恵美はテレビでシェフがエビの殻を剥く様子を見たことがあり、自分でもやってみたいと思っていたのだ。

家族はエビを購入し、家に帰るとすぐにキッチンへと向かう。幸太郎が包丁とまな板を用意し、恵美に安全な方法でエビの殻を剥く手順を教える。

「大丈夫、ゆっくりでいいからね」と幸太郎が優しく励ます。恵美は緊張しながらも、父から教わった通りにエビの尾を持ち、殻の端からゆっくりと剥き始める。初めは手こずるが、少しずつコツを掴んでいく。

「やった、剥けたよ！」恵美が達成感に満ちた声で叫ぶ。その瞬間、家族から拍手が起こる。

美咲は、剥いたエビを使って恵美の好きなエビフライを作ることにする。キッチンは笑い声と調理の音で満たされる。恵美も料理の準備を手伝い、自分で剥いたエビを見ながら、成し遂げたことに自信を深める。

食事の時間、恵美は自分で剥いたエビフライを誇らしげに皿に盛る。家族は恵美の努力を称え、一緒に美味しく食べる。

「恵美が剥いたエビ、とっても美味しいね」と幸太郎が言うと、恵美は嬉しさで顔を輝かせる。

その夜、恵美は日記に今日の体験を丁寧に書き記す。海鮮市場の冒険、エビの殻剥きの挑戦、そして家族と共に作った料理の喜びを綴る。彼女にとって、この日はただの日常を超えた特別な学びの機会となり、自己成長の一部として大切にされる。