第67話 古書店の秘密
恵美は地元の古書店を訪れることが好きでした。その店は街の片隅にひっそりと佇み、中に入ると時間が止まったような感覚に陥ります。店内は天井まで届く本棚と古びた家具で溢れ、どこか別世界のようでした。今日、恵美はまたその古書店へ向かいましたが、ただ本を眺めるだけではなく、ある特別な目的がありました。
最近、恵美はこの古書店に隠された秘密があるという噂を耳にしました。店の奥には誰も入れない「禁断の部屋」があり、そこには価値のある珍しい本や手紙、日記が保管されているとか。今日はその秘密の部屋をのぞいてみたいと思っていたのです。
店に入ると、いつものように店主の佐藤さんが迎えてくれました。恵美は普段通りに振舞いながら、店内をゆっくりと散策し始めました。その間も、心の中では「禁断の部屋」への興味が膨らむ一方でした。ある程度時間が経った後、恵美は佐藤さんに声をかけ、店の歴史やコレクションについて質問を始めました。
話を聞いているうちに、佐藤さんは恵美が本に対する深い興味と敬意を持っていることを感じ取り、少し躊躇した後、彼女を「禁断の部屋」へと案内しました。部屋に入ると、そこには古い革装丁の本や、手書きの地図、昔の文通の手紙が保管されており、恵美はそのすべてに目を奪われました。
特に一つの日記が恵美の注意を引きました。それは町の創設者によって書かれたもので、町の歴史や秘密が詳細に記されていました。恵美はその日記を手に取り、その場で読み始めました。ページをめくるごとに、町の知られざる歴史が明らかになり、恵美はその発見に興奮しました。
訪問を終える時、佐藤さんは恵美に日記を借りることを許可しました。恵美は感謝の気持ちを込めて店を後にし、家に帰ってからその日の体験を日記に記録しました。「古書店の秘密の部屋に足を踏み入れることができた今日は、私にとって忘れられない一日になった。この日記が、これからの私の冒険にどのように影響を与えるか楽しみだ」と書き留めたのでした。
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