第20話 俺のレベル

「それじゃあロインで連絡取ろうか」

 

「そうだな」

 

 そうして俺らはユキとラインを交換し、今日の攻略はやめて休むことにするのだった。

 

 翌日、俺はベッドで目を覚ますと視界に文字が浮かんでいるのを見つける。

 

 もしかしたら俺が今使えるスキルが見えるのかもしれない。

 

《名前 翔 レベル30 スキル解読》

 

《スキル一覧》

・火属性魔法レベル2

・水属性魔法レベル1

・土属性魔法レベル1

 

 今俺が使えるスキルはこれだけのようだ。


 これでもかなりレベルが上がっている気がする。


 基本的にダンジョン内で魔物を倒していくとレベルが上がっていくらしいから、今回はかなりのスピードでレベルが上がったみたいだ。

 

 パイソンを倒したことで、俺のレベルは30まで上がった。


 ちなみにパイソンの討伐報酬は俺のポイントカードに振り込まれているらしく、それにより俺の所持金は100万円以上あるみたいだ。

 

「よいしょっと」

 

 俺はベッドから降りて、下の階に降りる。


 そして朝の支度をしながら、今後のダンジョン攻略について考えていた。

 

 今使える魔法は火、水、土の3種類だけだ。


 この中から自由に組み合わせて使うことで戦略の幅が広がっていくだろうと思う。


 そして俺は朝食を済ませた後、学校に向かうのだった。

 

「にしても今日は騒がしいな」

 

 校門に辿り着くと、テンションを上げた生徒たちの声が耳に入ってくる。

 

 一体何があるだと思い耳を傾けていると、昨日の巨大蛇が倒されたことや、その人物たちについて話されていた。

 

 どうやら昨日の配信は相当人気なようで、多くの生徒がその話題で盛り上がっているようだ。

 

「昨日のクロ凄くない!? しかも魔法があんなに使えるなんて!」

 

「リサちゃんも時間を稼いで戦ってたの凄かったよ!」

 

「ええ、私も配信見たかったなー」

 

 近くにいる女子生徒からそんな声が聞こえてきた。


 やはり昨日の配信を見ていた人達は多かったらしく、中には昨日配信を見逃したという生徒までいるらしい。

 

「クロ君に会いたいなー! 仮面があるから顔は分からないけど……」

 

「私も私も! クロ君と会いたい!」

 

 そんなことを女子生徒は呟いている。


 俺はその会話を聞くたびに、どこか気恥ずかしいような気持ちになっていた。


 だってここに俺【クロ】がいるのだ。


 まあ俺がクロであることはバレないとは思うが、この人たちは俺が同じ学校にいるなんて知ったらどんな顔をするのだろうか。


 俺はそんなことを考えながら教室に入るのだった。



―――





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