第10話 お前ダンジョンに潜ったんだってな
そんなこんなで俺らは学校に到着し、教室に入る。
心梨は隣のクラスで、高校に入学してから俺たちは別々になっている。
俺は特に誰とも話すことなく教室に入って行き、自分の席に座るのだった。
そして席に座っているとコソコソと話し声が聞こえて来る。
「最近クロっていう新人の探索者が活躍してるのよ」
「俺も知ってる! しかも有名配信者のリサとダンジョン攻略に出たんだろ?」
どうやらあの動画がもう噂になってるらしいな。
まあ目立っているからな、多少は仕方がないだろう。
そんな会話を聞きながら俺が机に顔を伏せると、隣でどすんという音が聞こえた。
何かあったのかなと思い、横を見てみると……そこには俺をいじめてくる『佐々木涼介』が座っていた。
佐々木は俺と同じ高校に通う生徒で、俺のクラスメイトでもある。
そしてこいつはダンジョン探索者Bランクという凄腕であり、その地位を鼻にかけている男だ。
「よお翔、お前ダンジョンに潜ったんだってな」
「まあな」
「よく死ななかったなあ、お前みたいな一般人がダンジョンなんて潜っても、どうせモンスターに殺されておしまいだろ」
そうニヤニヤしながら話しかけてくる佐々木、こいつは何かと俺に絡んでくる。
何が目的なのかは知らないが、たまにこうやってちょっかいを出してくるのだ。
俺はそんな佐々木を無視し、スマホを見ることにした。すると新しい記事で《仮面の男》というタイトルを見つける。
どうやら誰かが俺のことを噂しているらしい。
俺はその記事を見ていると、隣の涼介が苛立った様子で俺に話しかけてくる。
「ちっ、クロだかなんだか知らねえが調子に乗ってんじゃねえよ。スマホを開けばあいつの記事でいっぱいだぜ」
どうやら俺の記事が色んなページに載っているらしい。
だからそれを見ていると佐々木涼介に取り上げられた。
佐々木はスマホを勝手に操作すると、ある記事を見せてきた。
その記事には《仮面の男》が話題になっているという記事だった。
どうやら俺がダンジョンで倒したオークやゴブリンの事について書かれているようだ。
そんな記事を見ていると、佐々木は画面をスクロールすし、今度は動画を見せてきた。
それは昨日リサと一緒にダンジョンに潜っている時の映像だった。
「なんなんだよこいつは!? どの記事を見てもこいつの記事がたくさん出てくる! しかも有名配信者のリサと一緒に潜ってるだと!? ふざけんな! 」
随分とお怒りの様子で佐々木涼介はキレている。
すると次に佐々木は俺の襟を掴みながら睨みつけてきた。
身長の高い佐々木は俺を見下ろしながら威嚇してくる。
「おい翔、お前今日放課後付き合えよ」
「はぁ、俺今日ダンジョン攻略があるんだけど」
「ああ? お前みたいなカスが攻略なんて出来る訳ないだろ!」
そう言われても俺には予定がある。
だが断ると佐々木は更に睨みを利かせてくる。
仕方なく俺は佐々木の言う事を承諾し、放課後に付き合わされることになった。
そして時間が進み、放課後。
「おい翔、てめぇ覚悟しとけよ」
「は? 何を言って......」
「こういう事だよ!」
そう叫ぶと佐々木は思い切り俺の腹を殴ってきた。
その衝撃で俺は倒れこみ、お腹に鈍痛が走る。
痛さと苦しさでうずくまっていると、更に蹴りを何度も食らわされた。
「へ、これでもう逆らえなくなったな?」
「いや? 全く」
「はあ!?」
確かに俺は何度も蹴られ、踏まれ、痛みを我慢し続けた。
だけどあのダンジョン攻略で得た経験のお陰である程度痛みを防げてる。
だからこの程度では俺は動じない。
すると佐々木はさらに怒り狂い、俺の胸ぐらを掴んできた。
そして拳を振り上げて懲りなく俺を殴ろうとしてくるのだった。
―――
これからも更新頻度あげていきますので、何卒、★とフォローをお願いしますm(__)m
あなたの★、そしてフォローがめちゃめちゃ励みになります!
※目次ページの「フォローする」ボタンを押せばフォローすることごできます。
※また★は、ページ下部にある星マークから行えます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます