第2話 俺のスキル

 俺は少しワクワクした気持ちでドアをノックし、部屋の中に入る。


 するとそこには試験官が2人いた。

 

「ではそこに座ってください」

 

 そして俺は試験官に言われるがまま椅子に座り、質問された。

 

 名前や職業などの簡単すぎる質問から、体重や身長などだ。

 

 そして検査が進むにつれて、ついに最後のスキル検査となった。

 

「それではこちらの水晶玉に触ってください」

 

「分かりました」

 

 俺はその水晶玉にそっと手を触れる。

 

 すると水晶玉は光だし、その光はやがて文字へと変わった。

 

 そこにはこう書かれている。

 

《スキル:解読》

 

 このスキルを見た時、試験官たちは少し難しい顔をする。

 

「聞いたこともないスキルだな、新種かもしれないが……解読スキルか、あまり戦闘向けではないかもしれない」

 

 そして試験官たちは少し話し合いをした後、俺にこう告げた。

 

「とりあえず、一応ダンジョンには潜れるようにはしておきますね。この後は待合室でお待ちください」

 

「ありがとうございます、では失礼します」

 

 そして俺は505号室を出て、待合室に向かった。

 

「にしても俺のスキルって《解読》らしいけど、初めて聞いたな」

 

 俺は自分のスキルについてスマホで調べる。


 だが、《解読》というスキルについての情報はなかった。

 

 なんだこのスキル、と思いながら俺はとりあえず待合室で待っていた。

 

 するとすぐに受付で俺の名前が呼ばれる。

 

「こちらが星野翔様のライセンスとなります。それとこの後、ダンジョンについての講習を受けてもらいます。講習会は奥にある赤色のドアからお入りください」

 

「分かりました」

 

 俺は受付嬢に言われた通り、赤いドアを開けて入ってみる。

 

 すると中にはいかにも厳つい顔の教官らしき人がいた。

 

「講習を受けに来た者はつめて座れ」

 

 そう教官が言うと、俺を含め20人ほどの人が、その教官の前に座った。

 

「ではこれより、ダンジョンに潜る上での注意点やルールを説明させてもらう。質問は最後に受け付けるので、心して聞くように」

 

 その後、教官の口からマシンガントークによる講習が始まった。

 

 ダンジョンについての必要知識から、ダンジョン探索の仕方までを事細かに伝えられる。

 

 ダンジョンについての勉強不足だった俺は話を必死に聞き、メモを取り続けた。

 

 そして1時間ほど経った頃だろうか、ようやく教官の話が終わる。

 

「これで講習を終了する。迷宮探索をする上で、今の話は必ず頭の中に入れておくように」

 

「ありがとうございます!」

 

「うむ、それと探索者連合に併設されてある武器屋や道具屋に寄ることをオススメする。ダンジョン探索には武器や道具は必須だからな」

 

 俺たちは教官にそう言われ、探索者連合の支部内にある武器屋や道具屋を見て回った。

 

「一応短剣は買っとくか……って高いな!? 今月はもやしご飯かよ」

 

 そう思いながら俺は短剣を1本購入し、ダンジョンに向かうのだった。

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