第24話 キラーラビット

 俺はユキの様子が少し変わったことに気がつく。

 

 どうやら俺の魔法のことが気になるようだ。

 

 俺はリサとユキに魔法を習得した経緯を話した。

 

「ま、魔法書? それって確か激レアアイテムじゃないかしら?」

 

「ああ、なんか初級ダンジョンを捜索してたら見つけた」

 

「運良すぎでしょ! まあ普通魔法書を見つけても誰も解読が出来ないから、そのまま売るのが多いらしいけれど……」

 

「そうなのか? 俺からしたら勿体ないな」

 

 何せ一度読めば魔法を習得できるのだ。


 まあ普通は読めないらしいし、読めるとしても習得には時間もかかるんだろうけど、俺はスキルのおかげで感覚的に覚えてしまうからな。

 

 そんなこと考えていると、リサが俺の腕をツンツンとつついてきた。

 

「そういえば私、前回パイソンを倒したドロップ品で新しい剣を作ったんだけどさ、良かったら見てよ」

 

 そう言うと、リサはステータス画面から剣を取り出す。

 

 紫とピンクを基調とした剣で、中心に黒色の宝玉が埋め込まれている。

 

《名前 リサ レベル15 スキル剣士》

《武器》 毒剣

《スキル一覧》

・毒属性を付与した斬撃が可能

 

「パイソンのお陰でこの剣を作れたんだよね!」

 

 そう言って俺にその剣を見せてくれる。


 紫とピンクの色合いもそうだが、刺々しい雰囲気を醸し出しており、物騒な印象がある武器だった。


 毒属性の斬撃を付与することが出来るみたいだし、今後の攻略に役立てそうだ。

 

 とりあえず確認が終わった俺たちは、ダンジョン攻略を始めることにした。


 中に入ってからの雰囲気は予想していた以上に静かであり、少し不気味だ。


 俺らは警戒しながら進んでいると、先頭をユキが歩くようになり進んでいく。

 

「それじゃあそろそろ配信を始めるね!」

 

《はい! 今日は前回と同じ中級ダンジョンに挑戦します! 本日一緒に攻略していくのはAランクの探索者ユキと、Cランク探索者のクロです!》

 

 そう言ってリサはカメラの前で話す。

 

 カメラは空中を浮いており、俺らの姿も映し出されている。


 コメント欄ではクロとユキの出演に歓喜のコメントが寄せられていた。

 

 俺は笑顔で手を振りながら、ダンジョンの中を歩いていく。

 

 それからしばらく歩いていると、曲がり角からキラーラビットが飛び出してきた。

 

 大体10匹くらいだろうか、キラーラビットは群れで行動することが多いモンスターだ。

 

「ここは私にまかせて」

 

 そう言うとユキは氷剣を前に掲げる。

 

 剣に埋め込まれた宝玉が輝きを放ち、鋭い斬撃がキラーラビットに向かって放たれるのだった。



―――





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