佐々木君には関わらない

　小野里静佳の隣人が道楽推理作家の西野修平であったことは不幸だった。静佳はいつの頃からかセンセのアシスタントを担当するようになり、今では本業である高校生活の大半を犠牲にして、振り回されまくりの日々をおくっていた。
　推理作家と設定した以上、現実の事件も解決しなければならないとの思い込みの激しい面々。今回のお題は『高校校舎から盗み出されるポスターの謎』だ。
事件を持ち込んだのは、静佳の友人である中尾祐と向坂芽久の一味違うコンビである。ここに修平を加えたユニットの結成に、不安ばかりの静佳であった。
　もちろん不安は的中し、犯人を突き止めてみたなら、これまたクラスメートの佐々木某。作家への情熱が強い彼は捜索に当たり、この犯罪がどのような罰を受けるのか、それをただ知りたかっただけで実行にと至ったのだ…続きを読む