傲慢殺しのアンティル

迷宮国家ディルクラネス帝国には、迷宮を探索する冒険者が人口の七割を占めている。そんな帝国　には十二の冒険者ギルドがあり、それらは【十二星芒】と呼ばれ帝国の冒険者界隈を牛耳っていた。

アンティル＝レスタスはそんな【十二星芒】の一つ……【魔蠍の尾】のギルドマスターであるが、彼は何故か周りから尊敬されず、むしろ方々から弄られたりするお調子者として扱われている。
しかし彼は決して侮られはしない。むしろ一部からは危険視すらもされている。

その理由は彼と契約した大悪魔の能力が由来している。アンティルは迷宮で死の淵に立った時、大悪魔スカラ＝フィアンに命を助けてもらう代わりに「ある使命」を背負わされ、とある異能を授かった。
その名も【傲慢殺し】。これは「自分よりも実力の位階が上の存在と敵対した際、能力値…続きを読む