1章 死霊術×ダンジョン、始動。
1話。
激流に押し流され目が覚めるとそこは、見知らぬ部屋だった。
壁も床も光に包まれたように真っ白で、部屋の中央にあるのは台座の上に置かれた一つの水晶。
出口も入口もなく、私とその水晶だけがある部屋。
「ここは……なんだ?」
呼びかけてくる声に応じたはいいものの、何の説明もなく水晶だけが置いてある部屋に放り込まれたことに困惑している。
まずは何かしら調べてみなければ始まらないと思い、目の前にある水晶を覗き込む。
「……は?」
吸い込まれそうなほど美しい水晶玉を見るとそこには、一つの頭蓋骨が写っていた。
なんだこれは、もしやこれが今の私の姿か?首から下はなく、ただの頭蓋骨が宙に浮いている。
一体どうやって?
「素ンッッッ……晴らしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
なんという僥倖!なんという幸運か!私自らが死霊術の先駆けを行く存在になれるとは!私が以前、
まさに絶頂に至ろうかというほど興奮して部屋中を飛び回っていたが、その喜びは目の前の水晶が光り輝き出したことで中断することになる。
「ふむ……?まだ触ってもいないというのに反応をするとは、こちらの挙動に反応する機能でもありましたかね。……っ!?」
そう言って再び水晶へと関心を戻すと、水晶が更に輝きを増し、目の前が真っ白になるほど輝いたかと思えば……静かにその輝きを落ち着かせていった。すると頭がずしりと一段重くなる感覚を得る。これはもしや、私の頭蓋骨の中に水晶が移動した?
自らの
「っあ゛あああ゛ああ゛あああ゛あ!!!!!!!!!!!!!」
余りにも強烈な情報の津波を受け止める内に、いつしか私の意識は途切れていた。
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