9話。
ふむ、やはり私の知っている
オリゴスの話から得たことに話を戻すと、肝心の進化に至った瞬間、その前後については意識が曖昧で、気付いた時には今の姿だった、とあまり有益な情報は得られなかった。これについては残念だったが、あまり気にしていない私に対してオリゴスが露骨に落ち込むものだから思わず励ましてしまった。
「私は定命の者とは異なり、これからは文字通り永久に君達、
言葉の通り、私には無限の時間がある。当然、オリゴス達にも永久と言っていいほどの時間がある。今後は人間よりも遥かに長い一生を共に過ごしていくのだ。だから気にする必要はない、と告げるとオリゴスは感動したようにその場に跪き、「我ガ全テヲ
和やかな雰囲気を一人で感じていると、久しぶりにあの声が私に語り掛けて来た。
【階層守護者を定め、ダンジョンの入り口を開けよ。定命の者の命を刈り取れ、さすれば道は開かれる。】
あの時とは違い、最初からはっきりと聞き取ることができた。何の反応もないオリゴスを見るに、今の声は私にしか聞こえていないのだろう。
ダンジョンの入り口を開けよ、か。私としてはこのまま引き篭もり、誰にも邪魔されずに
最優先するべきは、やはり戦力の拡充か。幾らオリゴスがいるとはいえど、外から侵入する者がどれだけの強さなのか一切の情報がない以上戦力が強大であるに越したことはない。そもそも彼らの誕生に興奮しすぎて忘れかけていたが、ダンジョン内の魔物が全て敗北する、それは即ち私の死に直結する。私にはコアと共に逃げるという抜け道があるとはいえ、流石に最終手段であることを考えれば配下の魔物が全滅する=現状太刀打ちできない、となるのだから実質運命共同体なのである。以前の私は
「よし、まずは……
目の前で恭しく跪き階層守護者の階級を戴いたオリゴスの体躯を光が包む。進化した時ほどの強い輝きではなく、薄らと光の下にあるオリゴスの姿を認識できる程度の弱い光。全身を包んだ光は数秒間留まった後、すうっと引いていく。この光は恐らくダンジョンに属する魔物が強化、もしくは進化する時に発生するのだろう。オリゴスは得た力を確認するかのように数度手を握り、再び首を垂れる。
「……必ズヤ、御期待ニ応エテミセマス。」
オリゴスのこの言葉と共に背後で、ざざっ、と地面が擦れる音が複数重なる。オリゴスに任せていた
二十九体の
──────
何とか一話更新できました。
最初は
まだ戦闘描写がないので強さの基準は分からないかもしれませんが、もうすぐダンジョンに最初のお客様が来る話を書く予定なのでまたその時に。
では皆様、よい週末をお過ごし下さい!
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