平凡な少女のありふれた死に方

自分たちで書いたシナリオを自分たちで演じる文演部。しかし、そのシナリオは概ねのあらすじや役が指定されているだけで、演じた結果生まれたシナリオが作品になるというものだった。
自分の死ぬシナリオばかり作る白坂奈衣。彼女が本当に死んでしまったことで、遺されたシナリオによる『本作り』が始まる。

様々なエピソードや登場人物の心理が複雑に絡み合い、タイトル～各章すべての要素がラストに向けて集束していく、非常に味わい深く、胸に余韻の残る作品です。
この作品の最大の特徴は作中劇ではないでしょうか。しかも、通常であれば小説の中でさらに別の劇がなされるところを、この作品では作中で起こった事がそのままシナリオに…続きを読む

読み終えてから「そういうことか」となりつつ、満足感からぼーっとしてました。

演じる、ということが最初から最後までしっかりと生かされた作品です。
「生きるとは」「死ぬとは」……すごく考えさせられました。

非常に読み応えのある作品です。
読み始めれば、きっと止まることができない。一気に読んでしまうでしょう。

おすすめです。
ぜひ、読んでみてください。

どの登場人物も「闇」を抱えていて、興味深く読めました。登場人物が1人ずつ語っていき、最後に色んな事が収束していくのが上手いと思いました。生きるとは？というような哲学的な事に興味を持つ人が読むと、とても面白いと思います。
語彙力もあり文章のテンポも良いです。
ミステリーなんだけど、人の心についてもきちんと描いてあり、読ませます。
次作に期待しています。