第6話

------翌日------


時刻は7時30分俺は担任に学校を休む事を伝え、

部屋でソワソワしていた、

やっと妹に上級治癒薬ハイキュアポーションでの治療が出来る、

だが本当に治るのか?との懸念もある、

もし治っても10年も寝たきりだったのだ、俺の事も分からないかも知れない、

日常生活をおくれる様に成るには、相当過酷なリハビリが必要に成るだろう、

もし、思考や感情が3歳児のままで止まって居たら…………

父や母も居なくて、過酷なリハビリを乗り越えられるだろうか?

もしかしたら………このままの方が…………



ダメだ!俺がそんな弱気でどうする!

俺はステータス的には運だけは良いんだ!其にスキルの努力もある、

もし上級治癒薬ハイキュアポーションでダメなら……

ゲームやラノベに出てくる、

エリクサーの様な効果を持つアイテムが手に入るまで努力すれば良いだけだ、

俺の場合、努力すれば成果を得られるんだからっ!

…………………………………………………………………………

……………………………………

まだ9時か………まだ早いけど病院に行くか、





真「すみません入院してる押手瑠花オシデルカの兄の押手真依琉と言います、

瑠花の担当医の白井黒斗シライクロト先生と話がしたいのですけど……呼んで貰う事って出来ますか?」


受付「えぇっと押手瑠花さんの担当医師の白井黒斗先生ですね?

お約束の方は、お取りですか?」


真「はい、アポは取ってあります」


受付「では、少々お待ちください、今お呼びしますので、そちらにお掛けに成ってお待ちください、」


真「はい、有り難うございます」






「やぁ真依琉くん久し振りだねぇ」


真「………えぇっと白斗ハクト叔父さんですよね?お久し振りです」


白「ん~何で挨拶だけでバレるかなぁ?ここの看護師でも直ぐに分からないのにぃ?もう直ぐ兄も、あぁ来た様だ」


黒「やぁ真依琉くん久し振りだねぇ」


真「お久し振りです、黒斗叔父さん」


黒「何か大事な話があるそうだけど?何かな?」


白「兄さん立ち話も何だし、場所を変えようよ」


黒「そうかい?じゃあ場所を変えようか、じゃあ談話室で良いかい?」


真「はい」





黒「それで、大事な話とはなんだい?真依琉くん」


真「はい、ダンジョンで上級治癒薬が手に入ったので、瑠花に使おうと思いまして、其の相談がしたくて来ました」


黒白「「上級治癒薬っ!それは本当かい?」」


真「はい、本当です、此が上級治癒薬です!」


黒「此が……では、直ぐに瑠花ちゃんの所に行こうっ」


白「待ってくれよ兄さん、落ち着いて」


黒「なっなんでだい?白斗」


白「僕達だけで決めて良い物なのかな?上級治癒薬だよ?

今まで聞いた事も無い代物だよ?

多分、世界初の使用例に成るんじゃあ無いのかな?

撮影して記録も残さないと」


黒「う~んそう成ると、院長や理事長と相談する必要があるかぁ……だけど、院長や理事長にこの話をしたら、

面倒事に成る様な気がするんだよねぇ」


真「面倒事?」


白「あぁ~確かに、上級治癒薬を寄越せとか、他の患者に使うとか、言い出し兼ねないねぇ」


真「はぁっ?寄越せっ?他の患者に使うっ?何ですかそれは?」


黒「真依琉くんも知っていると思うけど、此処は特殊な病院なんだよ、私立と言うより、最早国営と言った方が良いのかも知れないねぇ」


白「この病院には、元国会議員の方やその家族の方、現国会議員の家族や其に近しい人が、多く入院をしているんだよ、

それと、瑠花ちゃんと同じ特異難病、ダンジョン病の患者さん達がね」


真「はぁ?でもそんなの関係無いですよ?俺には」


白「確かに真依琉くんには、全く関係の無い事だねぇ」


黒「だけどねぇ、院長や理事長にして見たら、一般市民の瑠花ちゃんに上級治癒薬を使うよりも、

元国会議員の方や、現国会議員の家族の方に使った方が、

メリットが大きいんだよ」


白「其に前総理大臣の石頭……じゃない……石辺イシアタリ前総理大臣のお孫さんが現在入院して居るんだよ」


真「前総理?あぁ~アメリカに上位捜索者を派遣しようとしたり、アメリカ人にだけ無条件でダンジョンを開放しようとしたり、アメリカとの癒着がバレて、3ヵ月も経たずに辞職・・させられた人ですか!」


白「あはは辛辣しんらつだねぇ!まぁその気持ちは分かるけどねぇ」


黒「だから上級治癒薬があると知れれば、高確率で横槍を入れて来るだうねぇ」


真「じゃあ今から直ぐ瑠花に使って貰えませんか?」


白「そうしたいのは山々なんだけど、僕達も勝手に治療する訳には行かないんだよ」


真「どう言う事ですか?」


白「瑠花ちゃんは自力で物を飲み込む事が出来ないんだよ」


真「???」


黒「だから経鼻胃管、カテーテルって、言った方が分かるかな?鼻から胃までチューブを入れて、直接胃に上級治癒薬を送り込む必要が在るんだよ」


白「その為には最低でも看護主任に話をし通して、カテーテルを出して貰う必要が在るんだよ」


真「じゃあ看護主任の人に話をして、カテーテルを貰えば」


白「そう簡単な事じゃ無いんだよ、此処では緊急時や、大きな手術以外の治療は、看護師長と看護主任に話を通して、

ご家族の方と治療の日にちを決めるんだよ、

今回の様な上級治癒薬を使うと成れば、副院長や院長それと理事長に、話を通さずにって、訳には行かないんだよ、

もし、勝手に遣ったとしたら、間違いなく僕達は首だね、

其れどころか!

勝手に治療をした事で、病院から訴えられるかも知れない」


黒「だが、院長や理事長に話をしても、許可は降りないだろうねぇ」


真「それじゃぁどうすれば?」


白「真依琉くん?少し時間を貰えないかな?」


真「……………………分かりました10年間も待ったんだから、今さら少し位……………」


白「僕達だって、可愛い姪っ子を早く助けたいよ………

だから僕達の方で何か策が無いか考えて見るよ」


真「はい、お願いします、俺の方でも何か無いか考えて見ます」


黒「そう言えば真依琉くんは、今は・・携帯を持って居ないんだったね?」


真「えぇ持って無いです……」


黒「明日学校が終わったら、

一緒に携帯を買いに行こう」


真「う"ぇっ!携帯…………」


白「相変わらず、機械は苦手かい?」


真「俺が苦手と言うか…………機械が………俺を嫌ってると言うか………」


黒白「「あはは流石は姉さんの息子だ」」


真「くっ流石は双子息ピッタリだ…………」


黒「じゃあ明日の16時頃に、

アパートに迎えに行くから」


真「はぁぁ分かりました………待ってます…………」



ふぅ~携帯かぁ~何故か顔認証や網膜認証をしてくれないんだよなぁ

それどころか自動ドアやトイレのセンサー、タッチパネルも、中々反応してくれない時もあるし………誤作動も…………

機械は……苦手だ……特に……電子機器は………


白「兄さんそろそろ、お昼休みも終わるよ」


黒「もうそんな時間かい?」


真「黒斗叔父さん、白斗叔父さん、今日は有り難う御座いました」


白黒「「別に構わないよ!可愛い姪っ子の為だからね」」


黒「じゃあ明日ね真依琉くん」


白「何かあったら直ぐに連絡入れるから」


真「はい、分かりました、黒斗叔父さんまた明日、

俺は瑠花のお見舞いしてから帰ります、じゃあ失礼します」






俺は瑠花の手を握り話し掛ける


瑠花…………上級治癒薬が手に入ったよ……まだ確実じゃあ無いけど………これで治るかも知れない……グス…………………

もし、上級治癒薬で治らなくても、絶対に兄ちゃんが、絶対に何とかするから……何年掛かっても、絶対に……グス……グス…

…………………………………………………………………………

瑠花は知らないかも知れないけど………

叔父さん達は瑠花の為に、捜索者を辞めて、

物凄く頑張って…………お医者さんにまで成ったんだよ………


今じゃあBJとかゴッドハンド何て呼ばれてる位に、

凄いお医者さん何だよ、

だから……………

だから絶対に何とかするから


瑠花、今日は此で帰るね、また来るから


俺はそう告げて病室を後にした





高魔力魔石化症

通称ダンジョン病


ダンジョンが現れた直後から、

発症者が出始めた、原因不明の奇病


心臓がモンスターの落とす魔石の様な物に成り、

眠り続けるだけ・・の病である


発症者が出始めた当時は、人間がモンスター化するのでは無いか、等と言われていた、


発症者が出始めた2年後に魔力視と言う、レアスキルを持つ者によって、原因が究明された


原因はレベル1の捜索者の5倍に近い魔力が、心臓に集まる事に寄り、心臓が魔石化する事が判明した、初期症状として、胸にに赤黒い2~3ミリのホクロの様な物が出来、其が6~8ミリに成ると、一気に症状の悪化が始まる、

予防策として、ステータスを得てレベルを上げれば、

予防や進行を防げるのでは?

等の思いで、

初期症状の発症者に、レベル上げをさせたが、進行を遅らせる事も、症状を緩和する事も無かった

現在は治癒不可能の不治の病と成っている





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る