概要
幼女や少女には聞かせられず、令嬢やお色気主義者にはつまらない恋愛小説。
男女ふたり(正確には四人)の大学生の恋愛を中心とした物語。
男女ともに、究極の恋愛を目指していることには変わりはないのだが、ふたりの愛情表現には違いがありすぎる。
龍平は愛情と肉欲を大きく突き放し、究極の愛を示そうと意気込んだが、姫奈は愛の形と目合い欲し続けた。愛し合っていれば必然の沙汰だと信じて疑わない。
姫奈はその坦々たる倫理的な実を男が飲み込めていないことを悟っていたので、さらに根本な智慧の使い方を学ばせようと躍起になった。男の描いている『恋愛小説無題』をもっと趣のある話に変えさせるために、智も身体も注ぎ込んだ。
男と女は別れて暮らすことになり、特に男はは女にたいして萎えてしまわぬように、小説を使って真誠の愛を語り続ける努力をしたが、うまくいかない。
己の生き写し