(二)-8

 そして大統領は演台の前に置かれたマイクに一度手を触れマイクに音が入るか確認すると、「日本の皆さん、こんにちわ」と英語なまりの日本語でスピーチを始めた。

 ティムは緊張した。演説中は、体を多少左右に揺らすことはあっても、基本的に同じ場所に留まって動かない。銃の射線は糸のように細いので、多少の動きでも弾丸は外れる可能性がある。しかし、歩いているときなどよりは、こういう場所の方が遙かに命中しやすい。演説中は最も危険な時間なのだ。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る