(三)-3

 白人男性? ティムは不思議に思った。事前の情報と違う。中国系の、ウクライナ紛争にロシア側で従軍した経験を持つ男ではなかったのか。

 ともあれ、狙撃犯は逮捕された。油断はできないが安全は確保されたと思って良いだろう。

 そう考えてティムは立ち上がり、議員に近づいた。そして「犯人は制圧されたようです。ですが油断はできません、すぐに退避して下さい」と言った。

 その言葉を聞いて「そうか、それは良かった」と上院議員も立ち上がった。

 そのときだった。さらにもう一発の銃声が聞こえた。


(続く)

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