(二)-5

 翌日、ティムたちは、日本のキングが住む皇居と呼ばれるエリアの、川を挟んだ向かいにある第二次世界大戦・太平洋戦争の戦没者記念碑が置かれた公園に来ていた。

 ティムの耳に刺しているイヤホンから、無線の音声が入った。

「キング入場、一分前。各員、全周警戒せよ」

 ティムは周囲を見渡した。六角堂と呼ばれる建物の前に演台が設けられていた。周囲はフェンスが置かれ、ブーツを履き、袖に数字の1が描かれた紋章があしらわれている日本の制服の警察官がずらりと並んでいた。その手前には、演説を聴こうとする一般人とマスコミ関係者が大勢詰めかけていた。


(続く)

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