(三)

 ようやくたどり着いた演台にはまだVIPが残されていた。そこにいたのはサミュエル・ハンドバーグ上院議員だった。最近マスコミで話題になっている渦中の人物であった。

 上院議員が大統領のアジア歴訪に同行したのは、大統領の信任を得ることでマスコミらの噂を黙らせたいという意図があると言われていた。その議員の警備は一人のSSシークレット・サービスのみであった。一応盾になって守られている形にはなっていたが、SSは既に肩や腕、脚を撃たれており動けないでいた。まだ銃声は二発しかないと思っていたが、実際には五発も撃たれていたわけだ。大失態だ。


(続く)

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