(一)-5

 二人はそれぞれ確認して「クリア」と互いに聞こえるように言うと、手にしていた自動拳銃を左脇のホルスターに収めた。

 二人は部屋を見回した。壁際のベッドの掛け布団は起きたときのままめくれあがり、床には漫画が散乱し、デスクには食事したあとの食器が置かれたままになっていた。

「ただの一人暮らしの留学生の部屋にしか見えないな」

 アレンの言葉にティムは「そうだな」とだけ短く答えた。

 二人は、言葉は交わすものの、お互いの顔を見合わせることなく、それぞれ部屋の中を物色し始めた


(続く)

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