(一)-3

 アレンは折りたたみ式のすりガラスふうのドアを開けてバスルームの中に銃口を上下左右に向けた。そして誰もいないことを確認すると「クリア」と言った。

 アレンがバスルームを確認している間、ティムはすでに閉まっている玄関ドアの方と部屋の方を交互の銃を向けながら警戒していた。

 アレンが戻ると二人はゆっくりと部屋の方に進んで行った。部屋の入口にはドアなどはついておらず部屋の先にあるベランダの窓まで見えていた。

 昼間なのに窓には厚めのドレープのカーテンが閉められており、部屋は薄暗かった。


(続く)

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