第15話
朝起きてカーテンを開けると、雨が降っていた。最近は晴れの日が続いていたから、久しぶりの雨だ。
空はグレーに染まっている。今日はモノクロな雰囲気が続きそうだ。
この前の休みの日になんとなく近くのモールに出かけた。ふらっと立ち寄ったカメラ店を出たところで、
あれは本当に驚いた。
アタシは
幸い、
巻き込んだ
そう言い聞かせるものの、やっぱり不安や恐れは消えてくれない。小学校の経験はそう簡単には償えそうにない。
問題はアタシと同じ高校に「彼女」がいることだった。
春に全校集会でその名前を聞いたとき、さあっと血の気が引いていくのを感じた。
アタシにとって「彼女」は、触れたくない罪だった。幸い今まで面と向かって出会うことはなく過ごしてきた。でもこれからもそうとは限らない。
遠目で「彼女」を覗くと、昔の「彼女」はどこにもなく、別人がいるだけなのだ。
その別人に「彼女」がなった原因は、おそらくアタシだ。
アタシのしたことが、今の「彼女」を作り上げた。
やはり、自己責任だと思う。けれど、今更どう悔やんでも嘆いても、昔のアタシがしたことは消せないのだった。
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