第2話
「でさぁ」
「あたしはおかしいって言ったわけ。せっかくこの前に
彼女はクラスのとある友人について語りだす。両手を大きく広げ、ありえないといったそぶりを強調している。
「バレー部の先輩だっけ」
「いや、バスケ部。めっちゃかっこいい先輩で、あの子一番狙ってたんよ。入学式の時に校門で見て一目ぼれ」
「そんな前から」
私はとりあえず
「そう。そんで、ずっと
「ふーん」
「そんで、ようやく告白の決心がついて、さあ行ってこいってあたし送り出したの。
店員がパフェを持ってくるのと、
「え、やばい。すご」
座席にもたれかかっていた体を起こし、
そんな二人を
下にはチョコチップらしいものが折り重なって土台を作り、その上にはアイスが落ち着かなさげに乗っている。そこにバナナとイチゴが
スプーンですくって、口に運ぶ。
「でさあ」
「なんで別れちゃったのって聞いたら、『思ってたのと違った』だよ。ありえなくない?」
「まあ付き合ってみて初めて分かるってこともあるんじゃない?」
まだパフェを撮っている
「だけど付き合ってまだ一週間経ってないんだよ? もうちょい
「それもそうか」
私はまだ「付き合う」とかそういったものを知らない。ちょっと気になる男子は中学の時にもいたけれど、
「
急に
「あたし?」
「うん。
「ヤなところかあ」
「とりあえず様子見かなあ。一週間やそこらで人の性格とかわかんないし」
「だよねえ。やっぱ早すぎるわ」
「このパフェ、チョコ甘めだよね。もうちょい
「そう? こんなもんじゃない?」
「アイス溶けてるじゃん。もったいない」
「別に気にしないの」
言われた本人は気にせず、
「アタシにとって、パフェは見た目が大事。味は二の次」
「でも、溶けてぐちゃぐちゃじゃん」
「
「変わってんねえアンタ」
呆れた様子で
そんなやりとりを見ていて、中学時代を思い出し
にぎやかな
中学生の時は、関係がそのままずっと続くと思っていた。だけど、卒業という
「じゃあねー」
「また明日」
カフェを出た後交差点で二人を見送って、私は家への道を歩き始める。
以前カフェに来た時より、ちょっとだけ時間が長く感じた。
中学の頃夢中でしゃべって楽しんでいた時間はあっという間だったのに。こうなるとは思っていなかったけど、こういうものなんだな。
「思ってたのと……違った」
それはじめじめしてきた空気のように、どこか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます