第20話
教室に戻る道中は居心地の悪い沈黙が続いた。まるで、初めて出会った時のようだ。あの時もこんな感じで、黙ったまま歩いていた。
「
入り口でクラスメイトから声をかけられたので、具合が悪くて保健室で寝ていたと言った。ほんとは
ホームルームで先生にも事情を聞かれ、同じことを伝えた。昼以降まるまるいなかったので何と言われるか不安だったけど、特に何事もなく終わった。
ホームルームが終わり、教室から解放される。その足で
一緒に帰れるなら帰りたかったけど、いつもと違う帰り道になるのは確実だっただろう。会話はずっと少なくなる。だからか、
そして。
さっきの彼女は、誰なんだろう。
分かっているのは、同じ学年ということと、
あとは何も分からない。
誰かに聞こうにも手がかりがなさすぎる。
保健室での様子じゃ、
何か、きっかけがあれば。
そう考えても、思いつくものはなかった。
どこかでたまたま出会って、さりげなく話ができたら。それなら、
うーん。
「あ、
そんな風に考え事をしていると、後ろから声をかけられた。
そこで、ふと思いついた。
「ねえ、久しぶりに一緒に帰らない?」
誘ってみると、
私は友達を頼ることにした。
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