断ち切れ宿業、縁よ廻れ
日願国には鬼が出る。
鬼といっても、童話に出てくるようなものではない。
鬼とは元は人であり、鬼の病に罹患した者が変じた姿である。
だから、人は生きるために鬼を殺し、研究することにした。
鬼を殺す鬼宿師(おにやどし)、鬼を探求する鬼法師(きほうし)。彼らは対となり「鬼狩り」と呼ばれていた。
これは、そんな鬼狩りたちの中のとある一組の物語。
*主要キャラクターの概要・設定*
曼珠(まんじゅ)/
鬼狩りの一、鬼宿師の青年。身の丈ほどの大太刀を携えている。
気さくで飄々とした態度で人には接する。
桜(さくら)/
鬼狩りの一、鬼法医の青年。彩眼と呼ばれる色つきの瞳(青紫)をしている。口は悪いが根は真面目な貧乏くじ体質。
梓(あずさ)/
神成町に住む少女。曼珠に懐かれ、町を案内することになった。