地面に落ちる、日陰色の風景:お題『緑陰』
地面に映る影が揺れた。
吹き抜けた風が心地よい冷感を運び、木の葉が擦れる音が聞こえる。まるで会話をしているような、笑っているようなその響きにつられて、自然と口角が上がるのがわかった。
日中の暑さで人っ子一人いない公園の、焼けるような日射しから身を隠せる場所に設置されたベンチはお気に入りの休憩ポイントであり、気分転換によく足を運ぶ場所でもある。ここに座って愛読書を、買ったばかりのビジュアル科学雑誌を読むのが密かなマイブームだ。
木々のさえずる音が耳に届く。まだ夏に染まりきっていない風が、土や草の混じった夏の匂いを連れてくる。ふと見上げれば、揺れる葉っぱの隙間から眩しい太陽と目が合った気がした。
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