地平に叫ぶ、橙色の風景:お題『絶叫』
寄せては返す波が足元の砂を攫う。
日中は久しぶりの海に友人たちとはしゃぎ倒していたこいつは、今は不思議なほどに大人しく水平線の向こうへ沈む太陽を見つめていた。日射しをたっぷり浴びた砂浜はいまだビーチサンダルがなければ歩けないほど熱く、そのおかげか足を濡らす海水は存外気持ちいい。
「……人間って何のために生きてるんだと思う?」
「それを知るために生きてるんだろ」
普段は底抜けに明るいこいつは、時折、周囲が引くほどに根深い悩みを抱えることがある。正解のない疑問に答えを出すのが下手なのは素直さからか不器用なだけか。
「よし、やってやるぞ!!」
そう海に向かって絶叫する姿は、何かしらの答えを見つけたようだった。
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