ずしりと重い、緑色の風景:お題『すいか』
ぐぅと腹が鳴った。
氷水の入った寸胴鍋にずんぐりとしたすいかが浮かんでいる。頭に白いタオルを乗せたその姿は温泉に浸かる様子を連想させるが、暑い夏に冷たい風呂の組み合わせは何だかチグハグ感がある。
知り合いが分けてくれたんだと祖父が話してくれたのは今朝の事だ。今冷やされているのならそろそろ食べ頃かなと、そんなことを考えていたら再び腹の虫が主張した。
その音が聞こえていたのだろう、祖父はカラカラと楽しげに笑ってからそろそろ食べようかと言った。喜び勇んで鍋の中からすいかを引き上げれば、想像以上の重さに心が弾む。
「楽しみだね、おじいちゃん!」
大きなすいかは今日一日では食べ切れない。
楽しみは明日も続くのだ。
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