素敵になれる、群青色の風景:お題『群青』

 見上げた空はどこまでも広がるような青だった。

 雲一つ見当たらない快晴、気持ちいいほどに澄んだ群青色の空、それはまるで元気に輝く太陽の独壇場のようで。照りつける眩しさにそっと目を細める。

 幼い頃から晴れの日が好きだ。

 外で遊べるとか星が見られるとか、晴れが似合うと言われたからとか理由はいろいろあるけれど、一番強い理由は心が軽くなるからだ。どこまでも行けそうな、何だってできそうな、そんな気持ちになる。

 夏の匂いを運ぶ風が吹き抜けて、髪が、上着の裾が揺れる。それを感じながら、ふと、寄り道をして帰ろうと思った。何かいいことがありそうな気がしたのだ。

 鼻歌混じりに歩き出す。

 きっと、晴れの日の私は主人公になれる。

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