概要
カサン帝国植民地の片田舎スンバ村に住む貧しい少年マルは、「妖怪の言葉を解する」という不思議な能力を持つ少年。
マルは理想に燃える若き女教師ヒサリによって、天才的な言葉の才能を見出だされる。
ヒサリに憧れるマルは、ヒサリから教わったカサン語でひたすらヒサリへ手紙を綴る事によって、その才能を開花させて行った。
晴れてエリート養成学校に進学する事になったマル。しかし待ち受けていたのはあまりに過酷な生活だった。
愛するヒサリ先生や故郷の友と別れ絶望に叩きつけらるマル。
しかし、猿の面を着けた奇妙なルームメイトやライバルとの出会いを通じて、新たな目標を見出だして行く……。
この作品単独でも楽しめるよう書いて行きたいと思いますが、内容的には『妖怪の村の小さな学校~アジェンナ国物語 少
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!世界は綺麗なだけじゃないけれど――南国の瑞々しい青春ファンタジー!
こちらはシーリズの第二部です。
第一部では現代日本ならば小学生くらいだったマルをはじめとしたスンバ村の子供達。この世界では貧富の差、階層の差、そして宗主国と植民地、人種差別……と現実世界と変わらない悲しい現状がありますが、それでも第一部は舞台が田舎の村のこともあり、良くも悪くも世界は閉じており、子供達は抑圧されると同時に守られてもいました。
第二部では、主人公のマルはその才能を見出されてエリートの通う全寮制の男子校へ入学「させられ」ます。そこは耽美とは程遠く何とも過酷な男の世界。田舎で貧しくものんびりと育ってきたあの子(マル)は大丈夫かしら……
と、ヒサリ先生と同じように読んでいるこちらも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まるで東南アジアのような――とある国の、青春物語
常夏の国があって、その国には妖怪がいて、妖人と呼ばれる存在がいて――そんな国の片田舎に生きる妖人の少年、マルは、やがてその詩の才能のゆえか、自分の国を支配する国の帝都の学校に入学することに。
実際はいろいろな思惑が絡み合って帝都の学校に入学し、寄宿舎に入ることになったマルが、その郷里の田舎の素朴な感性を保ちながらも、いつしか少年から青年へと向かっていく……。
……と、ここまで書いてきましたが、つまりは青春物語です!
級友へのライバル意識や、仮面をかぶる奇妙なルームメイトとの交流、同郷の友人の隠れていた本音など、様々な事柄があって――ひとりの少年が、やがて青年へと成長するさまを描いています。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一人で別世界へ飛び込まなければならない苦悩がしみじみと読み取れます☆
前作『少年少女編』から少し成長した主人公が、特別待遇で入学した遠方の学園で送る「楽ありゃ苦あり」の物語。見た目のコンプレックスは変化しても、すぐに心の持ちようまでは変えられないところが彼の魅力。それが功を奏することもあれば災となることもあり、読み手は常にハラハラしながら次の展開に期待を抱く。
学園生活にライバルはつきものだが、タイプの違う複数のライバルを登場させて主人公を盛り上げたところに作者さまのセンスが光っている。どのライバルも個性と魅力に溢れていて、彼らの今後にも目が離せない。
前作から続く、主人公とその教師のプラトニックな恋愛模様も目が離せない。豪快かつ大胆な筆使いで綴る「すれ違い」…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「東南アジア」ティストたっぷりの「青春小説」、読んでみませんか?
舞台が「東南アジア風」の異世界ファンタジー。こういうの「私」大好きなんですよ!で、この小説はその「第2弾」になります。「第1弾」は下記にリンクを貼っておきますね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054921914497
物語としては秀才マルが、田舎から都会に出てきて奮闘する物語になります。あと時代なんでしょうね。宿舎の規律が厳しくて、まぁ、色々あります。でも、それって悪い事ばかりじゃなくって、、、なんてお話なんです。
えっと世界観は「人と妖怪」が共生する世界観で、ほんのちょっぴり「政治」の要素もあるかな?いや「差別」とか「国家の陰謀」も絡むから…続きを読む - ★★★ Excellent!!!田舎町の少年は規律厳しいエリート校へ 美しい心は磨かれて強くなる
この物語はアジェンナ国物語という、東南アジアを彷彿とさせる世界を舞台にした壮大なファンタジー小説第二弾です。こちらから読んでも充分楽しめますが、登場人物達のかわいらしい少年時代を覗いてみたい方は「少年少女編」も是非おすすめします。
頭が良く、物語を綴る才能を持つマルは、貧しい生まれながらにして特待生としてエリート達が集まる学校に進学することになりました。田舎町でさげすまれながら生きてきたマルにとってはカルチャーショックの連続です。
理不尽なものへの葛藤、芽生えるライバル意識、そして友情。息が詰まるような規律厳しい宿舎と学校の生活ですが、マルは様々な出会いを通じて自分自身の礎となるものを築…続きを読む - ★★★ Excellent!!!きらびやかな世界じゃないけれど。子供達がつかみ取るそれぞれの未来へ。
他であまり見かけないアジアンファンタジー。アジアをモチーフにしたファンタジーというと、中華風の後宮の話のようなきらびやかななものが思い出されますが、こちらは東南アジアの方面で、現実世界で言うなら世界大戦前後の植民地支配が当たり前だった時代の頃を異世界ファンタジーに仕立てている感じでしょうか。
前作が存在し、そちらは二十四の瞳を彷彿とさせるような小さな農村の学校における先生と生徒の触れあいでしたが、今作は主人公マルが成長し思春期を迎えてからの物語になっていて、これまでの友人知人から引き離され、全寮制の学校に入れられてしまうお話がメインで、国家間のごたごたや、選民意識、差別意識を見せ付けら…続きを読む