17話 魔法の贈与
魔法と科学について考えて、今までは魔法と科学は別なものだと思っていたが、根本は同じだと思う。
何故なら、自然界にある物を使い作り出すという事が同じだから。例えば原子爆弾も自然界にあるウランやプルトニウム原子核に中性子を当て核分裂させてエネルギーを生み出しそのエネルギーを兵器に利用したのが原子爆弾で。
魔法も自然界で起こる事を正確に想像してその現象を起こすのだから、今の俺なら創造の魔法で原子爆弾を作る事も可能だ。
ただ原子爆弾の原理や構造を正確に想像出来ないと作れないから誰でも魔法で作れるわけではない。
科学でも同じで知識が無ければ作れないはずだ。
まぁ~ 魔法と科学を一緒にするつもりは無いが根本は似たようなものだと俺は思っている。
俺は、原子爆弾を作るつもりはない。
あのような生物を死滅させるような兵器を作った地球の科学者たちと、それを必要以上に作らせた指導者たちは、俺にいわせると地球を滅ぼしかねない馬鹿だとおもう。
そんな事は置いておいて、メンバーに与える魔法を考えてバロン皇帝が侵略して来た場合にどんな魔法が良いか考えて、熱光線兵器に似ているが、それより威力のあるビーム光線魔法を与える事にした。
はっきり言って、魔力量と能力の上がったメンバーは、魔法の威力が上がっているので新しい魔法は必要ないかも知れないが・・・・。
次の日に鑑定したステータスを仲間に告げるとダンライが。
「雷魔法の威力が上がっていたのには自分でも驚いたが、魔力量と能力が上がっていたからか」
他の仲間たちも。
「どのくらい魔法の威力が上がっているか試したい」
と言っていたが、俺が神人になって魔法を与える事を出来るようになった事を言うとサビオが。
「リュウトは段々、人間離れして来たな」
ナナファーナとライナも同時に。
「元から人間離れしていたわ」
与えるビーム光線魔法の使い方を説明するとサビオが1番喜び。
「わしは、精神魔法だけで直接攻撃出来る魔法が無かったからありがたい」
そう言って皆と 訓練に飛び出して行った。
セブン号のスクリーンに映る皆の訓練を見ていると、セブン号のメンバーの攻撃は威力があるが命中率が悪く、ハッピー号の撃つ追尾ミサイルの命中率は高くほぼ100%命中していた。
ただ、追尾ミサイルの威力は弱く戦闘ロボットや戦艦は破壊できるが、セブン号などの旗艦を破壊する事は出来ず、損傷を与える位だ。
追尾ミサイルの威力を上げる事が出来ないか考えて。魔石はエネルギー源なので魔石をミサイルに詰め込めないかナイトに。
「ナイト、追尾ミサイルの中に魔石を入れる事は出来るか?」
「う~ん、出来ますがどうしてですか?」
「魔石はエネルギー源だから、ミサイルが当たった衝撃で爆発させる事が出来れば威力が上がると思うのだが」
「確かにそうですね、どのくらいの衝撃で爆発するか確かめてミサイルに入れましょうか」
ナイトが魔石の破片を使い、実験してどの位の衝撃で爆発するか分かり。実際に追尾ミサイルの砲弾の中に入れて実験する事にした。
実験の結果、魔石の扱いは難しくミサイルの砲弾に埋め込むのが難しく結局、俺が創造の魔防で砲弾を作ったのだ。
今日は新しい魔石を入れた追尾ミサイルの砲弾を撃つ実験をするので、全員の訓練を中止してサライ砂漠の中にある1kmくらいの岩山に 追尾ミサイルを撃つと。
【ドカーン! バリバリ!!~~】
轟音が響き、爆炎が無くなると岩山は跡形も無く吹き飛び2kmくらいの深いクレーターが出来ていた。
余りの威力に見ていた全員が驚き考えた俺でさえ驚き言葉にならなかった。ナイトが最初に言葉を発して。
「な、何なの!!??・・・・あんな小さな魔石で此の威力なら大きな魔石を使ったら小さな惑星など吹き飛ばしてしまうわ・・・・・・」
ナイトの言う通り実験で使った魔石は1番弱いD級魔獣、飛びラビットの魔石で、もしS級魔獣の魔石を使ったら、ナイトの言う通り小さな惑星を砕いてしまうかも知れないだろう。
未来の科学と魔法を組み合わせた此の兵器は、SS級魔獣の魔石を使ったら原爆以上の威力があるので、余程の事が無い限り絶対に使わないと心に誓ったのだ。
此の新しい追尾ミサイルはセブン号だけが使う事にして、他の戦艦には配備しなかった。
ナイトが、その晩の食事の後にしみじみと。
「リュウト様が、自制心が強くあの強力な追尾ミサイルを乱用しないので安心ですが、もしもあれをバロン・デスト皇帝が開発したならこの2つの世界は彼の支配下に置かれる事でしょう」
「うん、そうだろうな。魔石を使った兵器は外部に漏れないように魔法契約で口外出来ないようにするよ」
「えっ? 奥様にも契約させるのですか?」
「勿論だよ。俺自身にもそうするよ。もし大事な人が人質に取られたら秘密を話す可能性があるからね」
ナイトが膝をついて。
「主様であられるリュウト様に仕え事が出来て私は幸せでございます。此れからも精一杯仕えさせていただきます」
「オイ、よせよ。改まって言われると照れるだろう」
「オッホホ、リュウト様といると自分が人造人間だと言う事を忘れて、惚れてしまいそうですわ」
ローランが聞いていたみたいで。
「ナイト姉さん、聞き捨てならない言葉ね。でも今人造人間と言ったみたいだけれど、本当なの?」
ガンジーが以外そうに。
「あれ? 姫様は知らなかったのですか。ナイト秘書官は父上のダグラム様がお創りになった見た目は人間と同じですが、人造人間ですよ」
「ええー!! そうなの、知らなかったわ。でもこれでライバルが減ったわね」
「ん? ローラン何か言った?」
「オッホホ、 何も言っていないわよ」
最近のローランは、最初の完璧な令嬢の印象が薄れて来たのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます