第2部 闇落ちした元創造の神、邪神ジャクリとの闘い 1話 リュウト再び活動する
堕天使たちとの闘いから5年が過ぎて、アーレギ世界のルァー大陸は、戦いも無く平和でアーレギ連邦の元首である俺も2人の美しい妻たちと幸せに暮らしているのだ。
最近は、アーレギ連邦も落ち着いて俺と連邦議会の議長のダンライも新しく創設された大臣たちに仕事を任せて、余程の事が無い限り議会に出なくて良くなった。
今日は、久しぶりに俺の妻ナナファーナ、ライナにダンライ、サヨナァ夫妻、サビオと母親のマリシャーヌが集まってのんびりとお茶を飲みながら話をしている。
サヨナァが真剣で少し悲しそうに。
「ねぇ~、私たちに子供が出来ないのは何故かしら? リュウトとサビオたちは長寿だから分かるけれど、私たち夫婦は子作りに励んでいるのに・・・・・・出来ないのよ」
ダンライが慌てて。
「オイ、オイ、こんな所でそんな恥ずかしいことを言うなよ」
「別に恥ずかしい事じゃないでしょう」
ライナが真面目に答えて。
「エルフ族は子供が出来にくいから祖母が言っていたけど、子作りは毎日だとかえって出来にくいらしいわよ」
「ふ~ん、そうなの、ダンライ聞いた。今晩から控えてね」
「ええー! 控えるのはサヨナァの方だろう」
此のダンライ夫婦漫才に皆が爆笑してしまったのだ。
そんな馬鹿話をしていると今は諜報部の局長をしているハンドイが来て。
「やぁ~ 皆さん久ぶりです。お元気ですか?」
俺は、何かあったのかと思い。
「ハンドイ、何かあったのか?」
「はい、スワン王国、以前の聖国で堕天使たちが魔物を召喚していた場所から少し離れた所にサライ砂漠があるのですが、その砂漠に遺跡があるのを冒険者が発見したのです」
ハンドイの話によると、その砂漠にはS級クラスのサソリの魔獣が出て遺跡の調査を出来ないとの事で俺たちに調べて欲しいらしいのだ。
サビオが喜んで
「最近、暇で困っていた所なので丁度良いから明日にでも出かけようか」
母親のマリシャーヌが笑いながら。
「あら、私と一緒にいるのがそんなに退屈なのですか?」
「退屈なんてとんでもない! 毎日が充実して感謝しています」
「冗談ですよ。たまには出掛けてらっしゃい。リュウトも気を付けてね」
「えっ! 俺はついでか? 母上も変わったものだ」
「そんなことないわ。今でもリュウトが一番よ」
俺は(母上がサビオと幸せになってくれたらそれが一番だと思い)幸せそうなので嬉しかった。
こうして俺たちは、久しぶりに遺跡の調査の為に冒険の旅に出かける事になったのだ。
俺とダンライは、一応連邦議会の元首と議長なので留守にする間の色々と調整をして、女性たちも旅の用意に手間取り出かけるのは1週間後になった。
目的地のサライ砂漠まで新しく出来た魔道列車で行くか魔道車で行くかでもめたが、俺が元首なので特別列車になるので、迷惑をかけないために魔道車になった。
同行するのは、俺たち夫婦3人にダンライ夫婦の2人とサビオにハンドイの7人だ。
魔道車は、最近作ったキャンピングカーで、キッチン、狭いがリビング、お風呂、トイレ付きの豪華な自慢の魔道車なのだ。
サビオが国王の(国王と言っても名前だけで部下の行政長官に任せっきりだ)スワン王国(旧聖国)までは道路が整備されて土魔法で作った高速道路があるのでその日の夕方に着いた。
その晩は、スワン王国の宮殿に泊まりご馳走を鱈腹食べて客間に戻り、妻の2人は散歩に出かけて1人でのんびり寛いでいると母上が部屋に来て。
「最近リュウトとゆっくり話した事が無いから・・・・・・リュウトも、もう25歳なのね。連邦国の元首になって、小さい頃のリュウトが懐かしいわ」
「うん、俺も今の自分が信じられないよ。小さい時は知恵遅れみたいで心配をかけたのに・・・・・・こんな俺を育ててくれてありがとう」
「今更、何を言うのよ。私の方こそ、こんなに幸せにしてくれて感謝しているわ。ありがとう」
それからしばらく2人は、久々に親子で今までの事などを話したのだ。
途中で散歩に出ていたナナファーナとライナが帰って来て話に加わりライナが。
「マリシャーヌ様は、いつまでも若いからお母様と呼ぶのを止めてマリシャーヌお姉さんと呼ぼうかしら」
「オッホホ 嬉しいけれど見た目が若いだけでリュウトの母親だからやっぱり、母上と呼ばれる方が良いわ」
その後も話は盛り上がりサビオが迎えに来る夜遅くまで続いたのだ。
次の日の朝早く、母上に見送られて遺跡が発見されたサソリ魔獣の出るサライ砂漠に向かいキャンピングカーを走らせ始めたのである。
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