33話、諜報部の活躍
僕たちは、領地経営とナチラス聖国とドアイル帝国の対応が忙しく、特別に王立学園の卒業試験を受けて全員が無事に合格して卒業したのだ。
海の見える城で暮らし始め、此処での生活にも慣れて、相変わらずナチラス聖国とドアイル帝国の動向を見ながら軍の質の向上の為の訓練をしていた。
戦力を上げる為に兵士の数を増やそうとして募集していたが、応募してる人は大勢いるのだが兵士に向いている人が少なく。
そういった人たちを兵にしても軍に付いて行けずに、戦力にならないので募集をやめて、今いる兵士の実力を上げて倍以上の数の敵に勝つための厳しい訓練に日夜励んでいる。
最近は、冒険者としての活動も少なくなっていたが、領地のギルマスのギョウムが城に来て。
「最近、辺境伯領の森に見た事の無い鬼みたいな魔物が現れて、森に入った冒険者が襲われ、中には殺された冒険者もいるのです。
魔獣とは違い、二本足で歩き人間に近いが牙と角があるので魔獣とは呼ばずに魔物と呼んでいます」
此の世界には、ラノベ小説の定番のゴブリン、オーク、オーガが居ないのに気が付いていたが、この世界には4本足で歩く魔獣しかいなと思っていたのだ。
僕は気になり。
「その魔物は一種類ですか? どんな顔をしているか分かりますか」
「私は実際に見ていなので分かりませんが、三種類いるそうです。出来たら、リュウト様に辺境伯領に行って調べて欲しいのです。依頼を受けて頂けませんか」
「分かった。シャロム辺境伯家とは親密な間柄だから明日にでも行ってみるよ」
その晩に、リュウトが天守閣にある露天風呂に入り、一人で暗い海と星空を見てのんびりとしていると、ダンライが露天風呂に来て。
「あれ、リュウト居たんだ」
「うん、星空が余り綺麗だから風呂に浸かりながら見ていた」
「へぇー リュウトは意外とロマンチストなんだ」
「意外とはなんだよー! 此れでも夢多き青年だから」
「プッ、ハーハハ、失礼、思わず笑ってしまったよ。本当の事を言うと、僕はリュウトが最初から普通の人と違うと思っていたよ。リュウトが龍人王様と知った時は僕たちと別世界の人だと思った。
でも、その後も変わらなくて僕と友達付き合いをしてくれて嬉しかったし、そんなリュウトが夢多き青年なんか言うから笑えて僕たちと同じ人間で良かったと思ったのさ」
「そうか、ありがとう。今のダンライの言葉は嬉しいよ。此れからも親友ととして宜しく」
「アッ! やっぱりいた~」
そう言って騒ぎながら、ナナファ―ナとサヨナァにライナが水着姿で露天風呂に乱入して来たのだ。
サヨナァはダンライの側に行き、ナナファ―ナとライナはリュウト側に行き腕を絡ませたので両側に二人の弾力のある柔らかい物が当たり、どうしたものかと嬉しいような困った様に困惑したのだ。
ライナが上手くいった顔で。
「リュウト、両手に花で良い気分でしょう」
「う、うん。でも・・・・・・」
サヨナァはダンライに。
「ねぇー 男同士で何を話していたの? やっぱりエッチな話なの」
「そんな話はしていなよ。リュウトと知り合ってからの事を話していた」
「本当かしら?」
リュウトとダンライは裸なので、この状況に下半身が反応し始めてしまい。
頭にのせていたタオルで下半身を隠して難を逃れて女性たちがお風呂から出た後に。
「うちの女性たちは、肉食系だよな」
と言い、頷き合ったのでした。
そんな騒ぎのあった次の日に僕たちは、移転してシャロム辺境伯家に行き、魔物の調査を始めたのだ。
その頃、諜報部の責任者ハンドイは、諜報部の全員を集めて、此れからの諜報活動の指示をして。
「サスハ、君はナチラス聖国に潜入して教皇の正体と動向を探れ」
「はい、了解です。多すぎると見つかりやすいので俺は部下を3人だけ連れて行きます」
「分かった。サイゾィ、君は同じようにドアイル帝国を探れ、但しお前は女だから捕まると何をされるか・・・・危険だから慎重に行動して少しでも危ない時は撤退しなさい」
「はい、了解です。でも女だからと差別しないでください。此の仕事に危険は付き物ですから」
2人が音もなく部屋を去ると、ハンドイは。
「さて、俺はこの国に入り込んでいる、スパイどもの排除をしなくては」
独り言を言い、リュウトから渡された探知と鑑定を組み合わせた闇魔法使いだけに反応する魔道具の腕時計を付けて仕事に出かけた。
ハンドイが付けた腕時計に見える魔道具は闇魔法使いに反応する様にしたかと言うと、スパイなど諜報員は闇魔法を使える者の職業だからだ。
リュウトが開発したスパイを発見する為の魔道具は腕輪の周囲2kmに闇魔法使いがいると、赤く点滅する。
相手の位置が分かる仕組みで今日から初めて使うがハンドイは諜報員全員に腕時計を配り、国内に潜入しているスパイの排除に乗り出したのです。
その日だけでナチラス聖国のスパイ5人とドアイル帝国のスパイ3人を見つけて後を追うと、ナチラス聖国のスパイ5人はリュウトの身元の調査とリュウトに関する事を調べ回っていた。
帝国のスパイ8人は軍部の動向と戦力を調べていたが8人のスパイ全員を捕獲して、此れもリュウトから渡された催眠自白魔道具で自白させたのだ。
ナチラス聖国のスパイは、巫女長にリュウトを徹底的に調べるように命令されていて、ドアイル帝国のスパイはオスガン王国の軍を調べるよう指令されていた。
反対に、相手の知っていることを聞いたが、重要な情報は無く、サスハとサイゾィの調査待ちの状態になったのです。
その後もスパイの捕獲を続けて20人を捕獲し、王国からスパイを排除したが、捕獲したナチラス聖国スパイは執拗にリュウトの情報を集めていたのが気になり、リュウトに報告したのだ。
帝国に潜入したサイゾィは、冒険者を装い情報を集めていた。帝国は大陸の制覇を隠す気は無く、平民でも知っている位で大事な情報は無かった。
何か重要な情報は無いかと、サイゾィは部下と3人である日に、帝城に忍び込み探っていると、第3将軍の行動がおかしく調べると、ナチラス聖国が送り込んだスパイだったのだ。
サイゾィはリュウトに連絡して指示を仰ぐと、聖国と帝国の関係を悪化させるように言われて、第3将軍が聖国のスパイだという証拠を集めて第2将軍の部下に近づき、何回か一緒にお酒を飲み、一線は越えないが女の武器を使って惚れさせ。
「あのさ、私の情報を買ってくれない。此の情報を上官に知らせて、アンタが出世したら私がアンタの女になっても良いからさ」
「ほ、本当か! 分かった。情報の書類を第2将軍に渡すよ」
だが、その男の前にサイゾィが姿を現すことは、二度となっかたのです。
証拠の書類を見た第2将軍は、驚いて自分の部下に調べさせると本当で皇帝に報告した。
皇帝も最初は「まさか」と思ったが、調べると本当なので第3将軍を牢屋に叩き込み拷問して自白させ、皇帝は。
「ナチラス聖国め、許さん。聖国を最初に攻めてやる」
こうして、ナチラス聖国とドアイル帝国の間に亀裂が入り、険悪な状態になったのです。
この功績でサイゾィはリュウトから報奨金と屋敷を貰い、後に大好きなサスハに告白し結婚してその屋敷で暮らしたのです。
一方ナチラス聖国に潜入したサスハは、
闇夜に紛れて湖の中央にある大聖堂に忍び込む事に成功し。
影魔法で大聖堂内を調べて教皇の住む部屋を見つけ、天井裏に気配を消して潜み、辛抱強く保存食を食べて教皇が現れるの待ち、5日目に教皇が姿を現したのだ。
教皇が着替える時の姿を見てサスハは、驚いて声が出そうになり、慌てて手で口を押えた。
何と、教皇は30歳位の女性で背中には黒い羽根が生えて、身体全体が黒い皮膚でまるで悪魔みたいだったのだ。
着替えが終わると、教皇が鈴を鳴らし、今度は同じ姿の筋肉隆々の男性が現れ、二人はベッドの上で男女の交わりを始めて、事が終わると教皇が。
「フッ、フッ、フッ、此れで半年後には又、分身が生まれるわ。今度は何人が生まれるかしら、帝国が第3将軍がスパイだと気が付いて最初に此の国を攻めるみたいだけど滅ぶのは帝国なのに・・・・・・」
二人が部屋を出るとサスハはこれ以上いても情報は得られないと思い、王国に帰る為に大聖堂を後にしたのでした。
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