29話、ゾンダイ公爵と天使教会

 天使教会の不正のチラシを撒いて3週間が過ぎた頃に、天使教会から牧師が来て王国に抗議が行われたが国王は。


「長年に渡り国民を騙して来た事は許せん。これ以上、国民を騙し続けるなら国外退去させる。反省して国民に真実を話して謝罪するなら教会の存続を許すことも事も考える」


 そう言って、牧師を追い帰したのだ。


 そろそろ襲撃者が現れる頃なので、襲撃者が城内に入り込みやすいように近衛騎士団を訓練の目的で黒の森に行かせて留守にしたのだ。


 勿論、此れは作戦で一度黒の森で待機させ、翌日にはスパイがいるかも知れないので秘密裏に王城に移転して城内に隠れていたのです。


 その3日後に、黒い装束の襲撃者が王城の裏の普段は使う事の無い、公爵以上の者しか知らない非常階段から忍び込んできたのだ。


 探知魔法を展開していた僕たちにはバレバレで、王族の住む3階で待ち受けて襲撃者が現れた時に、


 自殺されては自白させれないので、催眠魔法で眠らせ、難なく捕縛に成功して魔法で自白させ、その様子を前世のビデオを真似た魔道具に録画と録音したのです。


 首謀者は、やはりゾンダイ公爵と天使教会で直ちにゾンダイ公爵と天使教会に騎士団を向かわせ捕縛を命じたのだ。


 僕とナナファ―ナがゾンダイ公爵家に同行し、サヨナァとダンライにライナが天使教会本部に同行した。


 ゾンダイ公爵家に着き、騎士団が踏み込もうとしたがヌケダガ公爵が。


「我が屋敷に許可もなく侵入するとは何事だ。魔獣の餌にしてやるわ」


 と叫んで、魔獣を召喚して抵抗したのだ。


 B級魔獣の鋼の猪が3匹とA級魔獣狂猿が4匹だった。

ナナファ―ナが簡単に倒すと、ヌケダガ公爵と息子のガクトイが召喚した魔獣が簡単に倒されたので驚き顔を青くして父親のヌケダガが。


「わしらは、天使教に脅かされて無理やりやらされたのだ。命だけは助けてくれ」


 息子のガクトイが泣きながら


「僕は何も知らなかったし、悪いことはしていないから無罪だ」


 そんな二人の姿にナナファ―ナが怒り。


「そんな馬鹿な言い訳が通用して許されるはずが無いでしょう。ガクトイ、あなたは学園の野外実習の時に生徒を4人も殺した癖に何が無罪よ。笑わせないで、二人とも死罪に決まっているわ」


 僕はナナファ―ナが怒った姿を初めて見て、絶対に怒らせてはいけないと、心に誓ったのだ。


 一方、天使教会本部に向かった騎士団とサヨナァとダンライにライナたちは天使教会に着くと、もぬけの殻で誰もおらずダンライが。


「くそー! 逃げ足の早い奴らだ」


 一応、教会中を調べたが、重要書類など証拠になるものは何もなく、仕方なく全員引き上げたのです。


 引き上げて誰もいなくなると、祭壇の裏の隠し扉から巫女が現れて白い巫女の服を脱ぎ、背中の黒い羽根を出せる黒装束に着替えて。


「今回は負けたが、次は力で此の王国を蹂躙してやる。覚えておれ」


 その言葉を残して、闇空に飛びあがり、そのまま飛んで暗い夜空に溶け込んで消えたのでした。


 ヌケダガ公爵と息子のガクトイを王城に引き連れて来て、地下の牢屋に叩き込み1階に行くと、ダンライたちが戻って来て。


「リュウト残念ながら天使教会本部は、もぬけの殻で早々と逃げ出したみたいだ」


「そうか、他の教会はどうなんだろう」


 丁度、諜報部のハンドイが帰って来て。


「王都の天使教会は、何処も閉鎖されて誰もおりません」


「そうか、襲撃のドサクサに紛れて逃げたか。サヨナァ天使教会の牧師などが辺境伯領内を通ってナチラス聖国に逃げるかも知れないから、警戒するように伝えてナチラス聖国の動向に注意するように辺境伯に伝えてくれるか」


「はい、分かりました。急いで通信機で伝えます」


 1週間に後にヌケダガ公爵と息子のガクトイは反逆罪の罪で処刑され、一族はいなかったのでゾンダイ公爵家は取り潰しとなり。


 異例だが何と、僕が新しくプテラノ公爵に任命されたのだ。


 古い貴族たちが反対すると思ったが、何と反対者は一人もおらず。全員が賛成したのだ。


 勿論、ヌケダガ公爵家の屋敷と領地もリュウトが引き継ぎ今までの屋敷は、孤児院とベレー帽特殊部隊の宿舎にしようとしたが。


 母親のマリシャーヌが孤児院から離れるはいやだと強固に反対したので、ヌケダガ公爵の屋敷は改装して、ベレー帽特殊部隊の宿舎と訓練所にしたのです」


 ナチラス聖国がこのまま黙っているとは思われずに、何が起きても良いように準備だけはしておこうと思い。


 ヌケダガ公爵家領地だった今の兵士は信用できないので、領地の兵士とベレー帽特殊部隊の人員を増やそうと思ったのだ。


 ギルドを通じて300人を募集した所、驚く事に千人の応募者が殺到したのだ。


 流石に選別に時間が掛かり、結局500人を採用したのです。


 新しく採用した兵士たちは、騎士爵になったジャンク・カルカが新しくプテラノ公爵軍の将軍になりしごき、もとい、過酷な訓練をしていたのだ。


 事件から1か月が過ぎ、事後処理も終わり王都も落ち着き、ナチラス聖国を監視している諜報部からも今の所、怪しい動きは無いとの報告を受けて新しく拝領した領地が気になり調べてみた。


 領地は、シャロム辺境伯家の隣で、海に面しておるが広大な死の森を挟んでドアイル帝国とも接している。


 ドアイル帝国は軍事大国で油断の出来ない国なので、僕は領地の視察に行く事にしたのです。


 王都からは、シャロム辺境伯家より近く車なら1日で行けるので仲間たち5人で領地に行く事にした。


 初めて車に乗ったライナは、最初は驚いていたが直ぐに慣れて車に興味を持ち運転も覚えて運転に慣れると。


 物凄いスピードで走り始めて僕がスピードを緩めて安全運転をするように注意したくらいだ。


 ライナは、見た目は天使みたいに綺麗でスタイルも良く女性らしいのだが、男言葉を使ったり、少し乱暴で見かけと違いお転婆な女性なのだ。


 道中にダンライが女性人陣にこき使われて。


「内のパーティーの女性は、見た目は綺麗で優しそうなのに性格は男みたいで人使いが荒い」


とボヤていたのだ。


 領内に入ると、獣人の奴隷が目につき住民たちはリュウトたちを見ると怯えていて前公爵がどんな統治をしていたのか分かる気がしたのです。

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