第3話
鈴木に続いて順番にステータスの確認を行い、いつも鈴木とつるんでいた山下・川上はどちらも職業:剣士だった。
ステータスの確認が行われる中、第二王女メアリーから追加で説明が入った。1度水晶でステータスの確認を行なうと、今後は自分でステータスを確認できるようになるらしい。それから、SP《スキルポイント》がある状態だと、ポイントを使用して所得できるスキルの確認及び取得が行えるようだ。
SPを使って取得できるスキルは決まっており、下位魔術(火・水・風・土・光・闇)、下位武器術(剣・槍・斧・弓)、生活魔術、下位状態異常耐性(毒・麻痺・眠り・石化)の大きく分けて4種類が選べる。
どのスキルも1つ取得するのにSPが50ポイント必要らしく、SPはレベルアップの時に貰えるようだ。
そして、最後に僕の番が回ってきた。
「お前で最後だ、水晶の前へ」
水晶に両手を置き、ステータスオープンと唱える。
職業:村人
Lv:1
SP(スキルポイント):50
攻撃:10
防御:10
魔力:10
素早さ:10
適応力:10
スキル:拳術、体術、魔力感知
「な、なんだよこの職業。それにステータスも……」
僕が頭を抱えていると、クラスメイト達が僕のステータスを見て笑い始める。
「なんだよあの弱っちいステータスは!」
「職業が村人なのに体術なんて持ってて意味あるの?」
クラスメイトの笑い声に合わせて騎士達もクスクスと笑っていた。
僕の前に鈴木がやってきて
「てめぇ何だよその雑魚ステータスは! ……いい事思いついたぜ! お前今から俺たちの奴隷にしてやるぜ! どうせ村人なんて職業じゃ戦えないんだから俺たちの身の回りの世話でもさせた方が役に立つんじゃねぇか!?」
その言葉に国王が続く
「職業:村人では確かに戦闘は難しいだろう! 奴隷というのはどうかと思うが雑用をしてもらうのはいい案であろう! 同郷の者でなければ分からないこともあるだろうしな! ガハハハハハハ!」
この後のことはあまり思い出したくない
僕にとって地獄のような日々が始まった
クラスメイトからは奴隷の様な扱いを受け、暴言・暴力はもちろん見せ物のように裸にさせられ首輪を付けられ連れ回されることもあった。
先生だけは僕の待遇について都度意見してくれていたが、わざわざ僕を呼び出し目の前で王女が大量の金貨を先生に渡してからは僕を庇うような発言は殆どしなくなった。
訓練が行われる時は、模擬戦という名目でボコボコにされたり、模擬戦用の武器を持たせてもらえずただ訓練場を走らされる日もあった。
というのも、僕の職業:村人は武器を持つとステータスが半減するという効果があるという。実質、僕は武器を持って戦う事が出来ないということだ。
そんな地獄のような生活が3ヶ月程続いた頃、転移者が集められることとなった。
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