第11話
慣れた手つきで禍々しい色の液体“精力増強剤”を自らに注射する。
全身が熱を持ち心臓の鼓動がドクドクとうるさく聞こえてくる。股間もいつものようにはち切れそうな程大きくなっている。準備は万全。後はこれから始まる最後の男娼としての仕事を終えれば、娼館から出ることが出来る。
オーナーのトーチさん。使用人のシータさん。見張りをしてくれていた騎士のマックスさんともお別れになる。この3人には本当にお世話になった。僕が今こうして生きていられるのもみんなのおかげだと思っている。
「失礼致します。ケンジです。準備が整いましたので扉越しではありますが声を掛けさせて頂きました」
「構いませんよ。こちらももうすぐ準備が終わりますので良ければそのまま扉の前でお待ちください」
「わかりました。このまま待たせて頂きます」
5分程扉の前で待っていると、扉が内側からノックされる。
「ミラー王女様の準備が整いました。そちらは準備出来ていますね?」
「いつでも大丈夫です」
扉が開きメイドが1人出てくる。僕の股間を見て目を見開いている。僕としては薬の効果で大きくなっているから少し反応しづらい。
メイドにバスタオルを渡されて前を隠すように言われる。そして目隠しをされ部屋の中に連れていかれ、ベッドの上に寝かされる。僕の手足がベッドに拘束されて最後の準備が完了する。
部屋にほんのり甘い香りが漂ってくる。いつもとは違う香りだ。特別なお香でも焚いたのだろうか。
ようやく僕の目隠しが取られ、目の前の光景に驚愕した。目隠しを外したのは第一王女だった。僕は第一王女の裸体の美しさに見惚れ、驚いた。第一王女はあまりにも美しすぎた。
「ケンジさん、本日は宜しくお願いしますね」
「こ、こここちらこそ宜しくお願い致します!」
お香の甘い香りが強くなっている気がする。僕の気のせいだろうか?
第一王女は僕の上に馬乗りになり、僕もかなり興奮していた。第一王女が左手に持っている物を見るまでは。
「王女様、左手のそちらはなんでしょう?」
「あら、気づいたのね。これは特製の鞭よ」
「鞭……ですか?」
「ええ! この鞭は短く作ってあって先の方に剃刀の歯を何枚も仕込んでありますの! この鞭を振ると皮膚が裂け、左手に肉を裂く感触がとても良く伝わってくる優れ物なのよ! ウフフフフフ!いけないわ! これを使えるというだけで厭らしく濡れてしまいますわ! アハハハハ!」
急に早口で話し始めたかと思うと、笑いながら鞭を振い始めた。僕の上半身や頬が切れて血が流れていく。剃刀で皮膚が切れると同時に鞭の衝撃がきてとんでもない激痛が僕を襲う。
第一王女はそんな僕の姿を見て、恍惚な表情をしながら尚も鞭を振るう。そして僕の上半身がズタボロになった頃、第一王女は鞭を捨てて僕の股間に腰を下ろす。その瞬間は身体の痛みを忘れる程気持ちが良かったが、その快感が続くことは無かった。
「アハハハ! わたくしの中はどうです?! もちろん気持ちいいですわよね! 貴方も今までのどんな男よりも素晴らしいですわよ!」
そう言うと、今度は拳で僕のズタボロになった身体や頬を殴り始める。第一王女の細い腕からは想像出来ない様な威力の拳で殴られ続ける。
僕は痛みから絶叫し、第一王女は笑いながら僕を殴り続けている。
第一王女の拳が血で染まり、僕の返り血をかなり浴びた状態になった時に第一王女が動き始める。
「とても楽しかったですが、わたくしの拳がダメになる前に本命といきましょう!」
そう言いながら、僕の首に王女が両手を掛けて体重を乗せる。僕の首が締まり呼吸が出来なくなっていく。そんな僕を見ながら第一王女が奇声を上げながら激しく腰を上下し始める。
呼吸が出来ない苦しさと強烈な快感で頭がおかしくなる。時折、第一王女が首の手を緩める事で気絶する事も出来ず、薬の効果で僕が第一王女の中で果てても萎える事がなく第一王女の腰が止まることもない。
苦しい。痛い。いつまで続くの。苦しい。早く終わって。苦しい。苦しい。苦しい。
どれくらい続いただろうか。僕は意識を失った。
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