第12話

 全身に激痛が走ったことで、僕は意識を回復した。先程までと同じように第一王女が僕の上に跨っている。


「ケンジさん、勝手に意識を失われてはミラー寂しいですわ! 楽しいのはこれからですのに! ウフフフフフ!」


 第一王女がそう言うと、少し離れた所にいたローブを被った人物が近づいてくる。


「タイミングは貴方に任せるわ。よろしくね」


 第一王女がローブの人物に声を掛けると、なんと僕に回復の魔術を使ったのだ。上半身の傷は瞬く間に無くなり少し体調も良くなった。精力増強剤の効果は全く薄れることは無かったが。


「さぁ! 可愛い可愛いケンジさん! もっともっとワタクシを満足させてくださいね! もっともっと楽しみましょう!」


 ローブの人物が再び魔術を使う。回復したのにまた回復するのかと思ったが違った。頭の先から足の先まで、全身を激しい痺れるような痛みが襲う。


「うわああああああ!!!!」


「いい! いいですわ! ケンジさんと繋がっているワタクシにも素晴らしい刺激が伝わってきますわ! アハハハハ!」


 それからは、回復と雷魔術を交互に使われながら第一王女は奇声を上げつつ腰を振り続けていた。


 何度魔術が繰り返されたかわからなくなった頃、ローブの人物が第一王女に話しかけに来る。どうやら魔力が切れたようだ。これで解放される!と僕は思ったのだが……


「魔力切れですか……分かりました。貴方は下がって休んでいていいわ」


「ケンジさんケンジさんケンジさんケンジさん!」


 ローブの人物を下がらせたと思ったら、急に大声で僕の名前を連呼し始めた。


「うわぁ?! ミラー王女??」


「ごめんなさい、びっくりさせてしまって。最後にこれを使って貴方の中の悪いものを出しましょう」


 いつの間にか隣に来ていた騎士に、僕は注射を打たれる。同時に王女にも注射が打たれた。


 注射を打たれた第一王女は依然僕に跨ったまま身体を震わせていた。


 ドクン!と脈打つ感覚に襲われ、動悸が激しくなっていく。苦しい。すると、僕のお腹から何かが込み上げてくる。ゴボッと何かを吐き出してしまう。


「ケンジさん! 悪いものが全部出ましたね! 今ケンジさんに打ったのは、この悪い薬を体の外に出す為の薬よ! この薬のせいで、女性はケンジさんの精を受けても子供を授かるとこが出来ませんでしたの。全部出せていい子ですね〜 これでようやく最後の交わりができますね! ウフフフフフ」


 そう言った第一王女の両手には、見覚えのある黒とピンクがマーブル模様に見える不気味な液体があった。


 第一王女は僕の首に軽く両手を添えて、再度激しく腰を振り始める。呼吸がしずらく上手く頭が回らない中、第一王女の中で二度果ててしまった所で僕の意識は闇の中へ落ちた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る