暗い解答
しばらく時間が経った。
茜色の陽は、三回くらい明暗を繰り返した。そして、四度目の深みに入る直前に真斗は顎先に当てていた手を組んだ脚の上に置いて、少々不機嫌そうな顔で瞼を開け、僕を見つめた。眉間に寄った皺は、こいつがこれまでの時間、問題にうろたえることなく、必死に立ち向かっていたことを示す証だ。
ただ、賢弟が頑張ろうとも結果が報われないこともあるようだ。真斗は顔に皺を造りながら、もう一度瞼を閉じた。そして、大きな溜息を吐いた。そこには脳を駆使したが、結果が振るわなかった骨折り損の疲労が込められていた。濃くなった茜色は、目鼻立ちの良い真斗の顔面に、苦悩の陰を造り出した。それでも、こいつの顔は非の打ちどころが無い。
「それで分かったかい?」
「いいや、謎は解けないよ。意味が全く持ってわからないとは言わないけれど、深雪さんの文言の真意は全く持ってわからないさ。それを兄さんに伝えてどうしたいのか、俺如きの経験じゃ分からない」
「けれど、分かったんだ」
僕はこいつの知能を侮っていたようだ。やっぱり、頼るべきは自分よりも賢く、機転の利く人間だ。
でも、こいつの顔に浮かんでいる皺は一体何を疎んでいるんだ? こいつがあからさまに不機嫌な表情を浮かべるなんて、自分の能力が敵わなかったやるせなさ以外に何があるんだ?
いや、真斗は基本的に人道から外れたことを見聞きしている時は、大抵こんな表情をしている。つまり、彼女が僕に伝えた暗号は非人道的なことなのか? でも真斗の表情が明確に嫌悪を示しているのは、それ以外にないと思う。あくまでも、これは僕の身勝手な憶測に過ぎに無い。真斗の全てを理解していると、おろかに思い込んでいる愚兄の勝手な憶測に過ぎない。
この証明は張本人である真斗にしかできない。だから、今はこいつの疲弊した声と眼差しに任せよう。
「兄さんのおかげだよ。兄さんが、昔ずっと聞いていたアメリカのバンドがあるだろ? それを考えれば、何となく分かったよ。というか、この前俺に歌ってくれたしね。俺としてはもっと明るい歌を歌ってほしかったよ」
「僕にもその時、その時の気分があるんだ。万人の精神が、いつでも安定しているとは限らないんだ。そして、大抵僕の精神は不安定だよ。それに僕にとってニルヴァーナはアイドルみたいなものなんだよ。どんなに暗くて、陰惨な歌詞でも、僕は好きで仕方が無いんだ」
「そっか」
「ああ、そうだよ。まあ、そんなことはともかく、お前の分かったことを教えてくれよ」
「そうだね。そろそろ、面会時間も終わりそうだしね。簡潔に話させてもらうよ」
真斗は足を組み直して、相変わらず不快そうな表情を浮かべたまま、自分の言ったこと裏腹に、口ごもって、例の暗号から見出した答えを言えずにいる。僕は焦らず、何を言う訳でも無く、こいつの錆びてしまった口が開かれることを待つ。
善良なお前が、嫌悪することならゆっくりで良い。それは汚れきった僕にとっても、劇薬となるだろうから。だから、お前は自分が思ったタイミングで言い出せば良い。それに、僕はまだお前に届ける歌を思い出してない。お前が僕に憧れたあの歌のコードが、頭に引っ掛かって出てこないんだ。記憶力が悪いからしょうがないことだ。そんな僕を想いやってくれると、こっちは勝手に受け取るからお前は焦らずに、気が向くままに答えを紡いでくれ。
それから、また数分時間が経った。真斗は顔をしかめたままだ。けれど、自分の中でそれを言う決心がついたんだろう、一度大きく溜息を吐きだして、もう一度足を組み直した。光の呼吸も真斗の覚悟と同じくして、再び自身の吐息を地上にもたらした。明るい春の黄昏時を迎えた病室は、今日最後の光で満たされた。
「多分。これは多分の話だよ。俺は兄さんが特別想っている深雪さんに会ったことが無いから、本当に深雪さんがそう言った経験をしたのかは分からない」
「そう、弱ってくれるなよ。良いんだ。例え、お前の回答が間違っていても、僕はそれを受け止めるし、彼女が嘘を吐いている可能性だってある。だから、お前はお前の考えをそのまま言ってくれよ」
「それじゃあ、言うよ」
俯きがちだった視線を真斗は上げ、僕の濁った目を見つめてくる。
緊張が張り巡らされている目だ。それに恐れも。珍しく、こいつは心から動揺している。凛然とした普段の姿勢はなしくずされて、弱々しい姿勢になっている。
一体、どんな答えがこいつを犯したんだろう? そして、こいつは劇薬を今から言おうとしている。そして、僕はあの歌を思い出した。
機は熟した。
「深雪さんは、父親から虐待されていたんだと思うよ」
その言葉に僕は茫漠とした。
「虐待?」
「うん、そうさ虐待だよ。それも最も惨いな虐待だと思う。間違っていたら、俺は首を括らなきゃいけないことだ。彼女の家族を侮辱していることになるんだから。本人たちが居ない場所に俺が居たとしても、人の名誉を貶めるような発言をしたんだからさ……」
「大丈夫だよ。その役割担うのは僕だからね」
「こんな時に冗談はきついよ」
目の奥を緩ませず、僕を非難する苦笑いを真斗は僕に向ける。
心外だ。
決して冗談では無い。僕は本気だ。
というのも、今の状況では冗談になるんだろう。いや、僕はそうした言葉を吐いて、自分の意志に没頭することで、真斗の口から聞いたことを理解したくなかったのかもしれない。自分から答えを求めて、清廉なこいつに苦痛を与え、汚らわしい言葉を紡がせたその本人が、耳を塞ごうとしているなんて、あまりにも身勝手すぎる。
けれど、僕はそれを理解していても、話題を逸らしたくなる。汚らわしくて、浅ましくて、貶されるべき僕の精神性には辟易とする。だけれど、僕は自分を襲う爆弾から逃れるための壕として、そこに飛び込むんだ。歩卒の自分が求めた爆撃なのにもかかわらず、僕がそこから逃れたがるなんて言うのは矛盾極まりない。いや、僕はずっと脱走兵だった。僕は戦う道から逃れ続けてきた。そして、ついに今、首が回らなくなって、精神が病んでしまっているんだ。
前を向け、戦場に戻れ、とまではいかない。それでも、逃げ出さずに一度くらいこの場に留まろう。自分に溺れることを止めよう。少なくとも僕にはあと二週間の時間が残されているんだ。だから、その間で、後悔に塗れた人生の一部分を取り戻そう。
ただ、それは死ぬために。決して、生きるためじゃない。僕は死ぬんだ。
その時、僕の頭に鈍痛が走った。
『お前は死にたいのか? お前は生きたいんじゃないのか?』
いいや、僕は死にたいんだ。辛い現実から逃れるために。
『矛盾だ。お前のそれは矛盾だぜ、ハムレット』
知ってるさ。だけど、僕は本気で過去に抱えた負債を少なくしたいんだ。冥土の土産は汚辱に塗れた汚れた心だけで、十分なんだ。それ以上の足枷は、地獄での暮らしを心地良いものしてしまうだろう?
『現世への執着か。そして、記憶か……。面白いことを言うじゃないか。ただ、お前の自己弁護は、何時か主観的な自分と真相的な自分の間に捻じれを見出して、粉々になるぜ』
狂人になる前に死ぬさ。クローディアス。お前に主導権を渡して、狂気の道で、権力を渇望して非倫理的な行動に走らせる前に、僕は僕自身の手で、自分の命に蹴りをつけるよ。
『その時は俺と心中だな。まあ、それも一つの結末だ。ただ、努々忘れるなよ。お前にはお前の命を望む者が居るということを。それがお前にとって苦痛だとしても、お前をの望む人間は居る。それじゃあな、ハムレット。お前らしい結末を見せてくれよ。どの道、腹は決まっているんだろう?』
ああ、決まっているよ。僕はお前と決別する。だから、お前は最後の抵抗のためにゆっくり体を休めておけ。もしも、僕がお前の抵抗に耐え切れなかったら、その時、僕はお前に体を預けよう。僕の自由意志は全部お前にくれてやるよ。
だから、お前はしばらくの間出て来るな。もう少しで、僕は僕の人生に対する回答を見つけられそうだ。だから、お前はその時まで黙っていろ。僕がお前に毒を飲ませるその時まで。
『ああ、それじゃあ、その時まで俺は待っているよ』
認識できな無い声を最後に奴は、僕の頭のどこかに隠れて行った。相変わらず、奴の土産は脳天に痛みを響かせる。けれど、視界は滲まないし、汚濁も見えなければ文字列も瞼の裏に浮かんでこない。その程度の痛みだ。この神経痛染みた痛みに、僕は慣れてしまったのかも知れない。そして、きっとこの常習化してはいけない痛みは、僕の日常の中に組み込まれていくんだろう。
嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
痛みに苛まれながら、生きるなんて地獄を僕は被りたくない。
安らぎたい。
ただ、僕は安寧を求めて、それを手に入れようと必死に手を伸ばしている。けれど、僕の手にそれが掴めることは無いんだ。僕の頭に月桂冠が載せられることは無い。僕の頭には、茨の冠が巻き付いて離れない……。
いや、そんなことは前から分かりきっていることだ。分かったことを分かっていないように、演じて悲痛な沈黙を長引かせるのは止めだ。自分の言葉を反故にすることも止めよう。これ以上、太陽の子の不幸を長引かせるのは止めよう。
自分でやったことには、自分で蹴りをつけるんだ。それこそが、僕の猜疑を晴らす一番の近道だ。逃げずに立ち会おう。
「どうして、どうしてお前はそうした結果に辿り着いたんだ?」
でも、どうしても僕の言葉には腐臭が含まれてしまう。
不安定な震える声色に、真斗はより一層眉をひそめて、不安を映し出す。そして、
わずらわしげに口を小さく動かす。瞳の奥は揺れている。
「言葉の通りさ。兄さんが伝えてくれた意味不明な文言が合っただろう? それを適当に、僕なりの解釈を加えたら、そうなっただけだよ」
「詳しく教えてくれないか?」
「うん、それを教えるのは俺の義務だから包み隠さず教えるよ。俺の解釈が酷く曲がっている可能性もあるしね。色々と読み違いの余地があるかもしれないし」
真斗は自信がなさそうで、自分を卑下するような微笑を不安の表情中で浮かべた。今日、最後の茜色には似つかわしくない表情だ。自信が持てないんだろう。究極的に難しくて、想像を絶する集中が必要な複雑怪奇な人の運命を手さぐりで織ったお前は、その出来が分からないんだ。だから、不安を覚えるんだ。
けれど、大丈夫。お前は選ばれた人間なんだ。お前にできないことは無い。だから、お前は自身を持って言葉を紡げよ。
「そうかも知れない。でも、お前は僕が認める秀才だ。だから、自信を持って自分の考えを言ってくれよ」
僕のその言葉に真斗は、どこか遠い場所を見ていた目を、どこか違う場所に向けて居た集中を、再び取り戻した。そして、鬱屈とした黒い雰囲気は溌剌とした白色に転じた。揺れ動いていた口も動きを止めて、定点を得た。ぼんやりと開かれた真斗の言葉の排出口からそっと息が漏れる。
そうだよ。お前に似合うのは、悲劇に悩む哲学者じゃない。お前は喜劇を楽しむ役者が一番似合っているんだ。その抜けた表情も、何もかも、お前は哲学者に向いていないよ。
「そうだね。俺も自分に少し焼きが回っていたよ。俺は兄さんに認められた数少ない人間なんだから、はっきり俺の考えたことを言えば良いんだ。そういうだよね、兄さん?」
「ああ、そうだよ」
口早に紡がれた真斗の言葉に、僕は圧倒された。そのせいで、今度は僕の方がうろたえてしまった。けれど、兄弟の関係性はこれくらいで良い。僕らは世間に生きる典型的な愚兄と賢弟で良いんだ。
家を捨てれば、僕らは普通の人間だ。この空間に家は無い。もちろん、運命には囚われている。でも、それも、今くらいは無視しよう。平時の中で異常を語らおう。
嬉々として真斗もそれを望んでいるみたいだ。組んでいた足を解いて、力強く両足を地面に着けて、両手を股の間の座面に着けて、身を乗り出しているんだ。全く、こいつにはインテリって言葉が似合わないな。そんな人の体裁を取り繕うだけのレッテルは、弾ける才能の前では塵だ。
「それじゃあ、まずは初めの文言だ。『星の石。』これはまあ、そのまま英訳すれば出てくるよ。The star stoneってね。ただ、これをそのまま受け取っちゃ駄目なんだ。stoneを別の言葉に置き換えないとなんだ。まあ、これは本来のニュアンスとは違う気もするけど、それでもrockって単語に置き換えれば、『涅槃』っていうと言葉と辻褄が合うんだ。涅槃を英訳するとNirvanaになる。これだけじゃ使えないから前の星の石を語順を変えて組み合わせる。Rock starとNirvana、それで例のバンドさ」
「随分といい加減なこじつけだね」
「しょうがないだろ、こうでもしないと帳尻が合わないんだからさ。とかく、これで一応ニルヴァーナの説明はついた。次に『血の同位体』これに関しては、血縁関係とした考えられないよ。逆にそれ以外の関係性で、こんな言葉は出せないと思う。安直すぎるけどヒントが何もないから、こうとしか考えられないよ。そんなことはさて置いて、次は涅槃にくっついている『三つ目』だね。これはニルヴァーナの三枚目のアルバムの題を考えて見れば分かるよ」
「『In Utero』、子宮内……」
「そう。それで、そこに辿り着く道は一つしかない。汚辱に塗れたっていうことは……、兄さんでも言わなくても分かるよね。そして、それは暴力って深雪さんは最後に明言している。合意は無かったんだよ」
真斗は言い終える前に、悲しい雰囲気を再び纏って、視線を自分の手元に移した。それは自分の推測に対する後ろめたさのためでは無い。真斗は自分の言ったことで、脳裏に想起された景色に生理的嫌悪を抱いたから、手元に視線を移しただけに過ぎない。逃れられないことを知っていながら。
弱る真斗を目の前にして、僕はどう声を掛けて良いのか分からない。僕が何を言ったところで、こいつの脳裏に映し出されている想像の景色が拭い去れることは無い。僕が一番よく知っている。一度思い付いて、それを景色として想像したら、脳に焼き付けられることを分かっているんだ。例え、それが自分に関係ないことだろうとも、頭から離れてくれない。
それを知っているから、僕はこいつに何も言いだせない。何を言ったとしても、無駄になるのだから。しかし、それで何もしないというのは同義に反する。毒物に対する体制の無い人間に、無理やり猛毒を摂取させて、その成分を明記してくれなんていう非人道的なことをやらせた人間が、目の前で見たことも無い景色に苦しむ人間を放って置くことは出来ない。
けれど、僕の口は動いてくれない。僕は、こんなに饒舌だけれど、本心では混乱しているんだ。そして、深雪さんの闇の正体がそれじゃないって望んでいるんだ。目に入れても痛くない美しさを誇るアルテミスの純白が、非理性的な暴力によって赤く染められていることを僕は信じたくない。何時までも純潔を保っていて欲しいと願う。
でも、きっとそれは真実だと思う。僕の目は曇っている。けれど、そんな曇りきった目でも、役に立たないガラス玉でも、僕は深雪さんにただ一点の汚濁を見出した。
それにこんなことを願うのは、僕の仕事じゃない。僕はアポロンじゃないんだから。僕は自惚れるナルキッソスに過ぎない。
なら、僕にできる仕事は何もない?
いや、例え傲慢で無知蒙昧な人間であろうとも、出来ることはある。意味が無いことを知りながらも愚行を取れる。それが魯鈍な僕だ。
「ああ、そうか。なるほど、腑に落ちたよ。所々やっつけ仕事なところはあるけれど、きっとお前の言う通りなんだよ」
「そうでないことを俺は望みたいよ」
「そうだね。けれど、一度起こってしまったことは誰にも変えられない。悪魔と契約して、時を戻さない限り、僕らにそれは出来ない。だから、僕らに、いやお前にできることはただ真実を寛容な心で受け止めてあげることだけだよ。例え彼女の言葉が、適当な言葉遊びだとしても、それもまた一つの真実として受け入れてあげることがお前にできることだよ。僕にそれは出来ないからね。僕に出来ることは、ただ惨めさを、虚しさを、憎悪を、嫉妬を舐め合うことだけだからさ」
「無理して俺を労わろうとしなくて良いよ。むしろ、鬱陶しいから止めて欲しい」
不幸に歪む表情を緩ませて、真斗は無垢な笑みを浮かべて、僕の優しさを踏みにじってきた。心外だ。
けれど、こいつはその行為で無邪気な笑みを浮かばせている。脳裏を犯している毒が解毒されたみたいだ。こいつは随分とサディスティックな人間に成ったんだな。
「酷いことを言うもんだねえ」
「いや、兄さんがそんなにも柄じゃないことを言うからだよ。というか、さっきからずっと腹抱えて笑いそうになってたんだよ。昔は無愛想で、俺を突き放していやがった癖に、今になって随分と優しくなりやがったからね」
「お前、ええ、まあ、うん」
笑いながら真斗は随分と酷いことを、似合わないし、聞いたことも無い荒々しい口調で言って見せた。でも、こいつの毒がそれで晴れるなら僕は喜んで受け入れよう。
最後の茜色が続くまで。どうせ、直に夜の帳が降りはじめる。その時になれば、面会時間も終える。それまでの間、こいつに言わせておこう。
いや、違う。僕にはやらなければいけないことがある。こいつに対する報酬を払わないといけない。こいつが待ち望んでいた僕の歌を届けてやらなければ、僕は自分に対する示しがつかない。せめて、愚兄最後の意地を見せてやらないとだ。
僕はギターを再び持ち直して、適当にコード抑えて、右手を振り下ろす。覇気の無い和声が、病室を木霊する。これに笑い続けていた正斗は、即座に愉快な粗野を収めて、今度は光り輝く目を僕に向けた。
「歌ってくれるんだね?」
「ああ、歌うさ。それがお前の望みだからね」
「それじゃあ、時間の許す限り聴かせてくれよ」
「もちろん」
真斗の真摯な要望に僕は頷く。それから、僕はあの曲の始まりのコード、C#mを押さえて弾く。
「あの曲だね。そう言えば、その曲の題ってどんなやつなの?」
「特に無いよ。強いて言うなら、『決別』かな」
「『決別』ね。兄さんらしい表題だ」
「そう言ってくれるなら僕としては、嬉しい限りだよ。それじゃあ聴いてくれ」
そうして、僕はもう一度C#mコードを弾いて、次にE♭m7-5にコードチェンジをして弾く。そこからは思い出せる限りのコードを思い出して、指の感覚だけで引いて行く。これでイントロだ。
それじゃあ、歌おう。
僕に憧れたこいつの夢。そのはなむけとして、精一杯歌って見せよう……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます