第14話 最低の別命があるのだった
(やっぱり平和が一番よね。できるかぎり)
そう思いながら、わたしはゆっくりと新しいエムデシリのジャージへと着替えていった。
(さて、次のわたしのミッションは・・・)
エムデシリで制圧警棒を振るって不純異性交遊の取締り、なんてことのはわたしにはとても無理。そうであるにしても、ナノマシンのレムちゃんを絶賛お取り込み中のわたしならではの、すべきことがあるはず。
そんなことを思いつつ、汗だくのエムデシリジャージとバスタオルとを手にシャワールームを出た。
☆
外では、寮監長様に鬼姉様方、それに、
・・・鬼姉様方と数時間過ごすうちちに、すっかり忘れていた。わたしにはミカ校ただ一人の異性である
三田寮監長兼中隊長様が命を下す。
「よし、各人夕食を済ませた後に、それぞれのテントに入るように。プリキラ様と
前を歩む
「あの、先輩。先程、わたしの隣でシャワーしていたのですか?」
と聞いた。
「あ、あぁ。そうなるのだろうな」
「もしかして・・・見えてました?」
「いや、大丈夫。基本、壁を越えて見えたりはしないから」
「・・・今はどうですか?」
「大丈夫。前を向いているからな」
「これからは・・・?」
「・・・既に命を受けているからな。凝視させてもらうことになる」
今宵のこれからに、わたしはくらりとした。
「わたしなんかでいいんですか?」
「繰り返させてもらうけれども、これは上からの厳命だ」
少し誤記を強めてそう言ってから、
「・・・あのな、俺はこの一月近く、毎日毎日このポイント・マキノで昼はどっかんどっかん土木の爆裂をし続けているんだ。へとへとになった後の夜は、同じおつかれの駐屯地の隊員さんとベッドを並べて眠る。その間な、昼も夜も、ずうっと俺の目には、筋骨隆々の隊員さんの半裸か全裸が目に入っているんだ。夜中にふと横を見るとなぜだか、同じく俺の方を向いている隊員さんのアソコが全力で大きくなっているのが何度か目に入ったりもする」
「
そっかぁ、たしかに先輩のお立場はなかなかに厳しいものらしい。
わたしが、少しシンミリと同意していると、先輩は、
「それにな。正直、さっきまでは
・・・でもな、先程、シャワー室から出てきてお前を見てな、お前で良かったのかもと思ったよ。あのな、
(はい、この人、失礼なことと最低にいやらしいことを同時に言いました。)
げんなりとしつつも、可愛い、なんてことを異性から言われなれていないわたしは、頬を赤らめてしまう。
・・・あぁ、最低の別命だ。ほんとうに。
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