第5話 スタニスワフ・レムの名にちなみしナノマシン
「はじめに、1つ謝らせてください。
今回の件は、僕がかつての力の多くを失っていたために、
そのために無関係な
と、ルカサブロウ君は頭を下げた。
だからわたしに何に巻き込まれるの、と少し不安は募るものの、美幼女エルフ系のルカサブロウ君に誤られたためか、好奇心の方が先に立つ。
☆
そこからのルカサブロウ君の話は割と長かった。
元々はソビエト連邦がいったん崩壊した頃に旧共産圏のカスピ海のほとりの国に生まれ‥ブドウ農園が並ぶ村で育ち‥小学校高学年の頃におじいちゃんの朝長の血縁で日本にたどり着いて‥剣道に打ち込み‥IT系の専門学校に進んだ時に京成線沿線のお花茶屋駅そばのアパートで一人暮らしをはじめた。
お花茶屋ってなんかかわいい。ルカサブロウ君のお生まれになったのは、わたしの両親と同じ頃らしい。さておき、見た目ほぼ美幼女エルフなルカサブロウ君のお顔をずっと見つめながら話を聞いていると、(そもそも男女の区別ってなんだろう)という疑問が湧いてくる。
分かった。
わたしのブラサイズはギリギリB。
そんなくだらないことをわたしが考えているうちにもルカサブロウ君の話は続いていく。
二十歳になる年、剣道部の後輩女子コウが行方不明となった‥彼女のことを気にかけるままに就職、金融系のシステム開発を行うエンジニアさんになった後に、太古の異世界に転移。そして、いろいろな出会いの後に、
☆
「さて、ここまで話したことで、ようやくに
と言ったルカサブロウ君は手鏡を生み出し、私に手渡す。
ミーシャ指導官と友利先輩が私を見つめる。
何かを感じ、手鏡を取ったわたしは、顔を手鏡で写す。
わたしの肌が白く蛍光していた。髪の毛の色は巫女様ほどではないけれども、薄く輝いている。
「ただいま、僕の70億年を超える魔王としての生を支えてくれた超知性体のレムが、水素原子サイズの無数のナノマシンとなって、
何が起きているのかさっぱりわからないけれども、
何、わたし? なんていうか我ながら神々しい。。。
「ちなみにレムという名は、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムの名にちなみでつけられています」
と、ルカサブロウ君。
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