第6話 思い出せない
小学校低学年の頃、よくお泊りしていたところがあります。
女性と彼女のカレシにあたる方。結婚はしていません。そして確か私より2歳くらい下の男の子。彼は2人の子供ではなくそこに預けられている他人の子供。
要するにややこしいことに家族に見えるけれど全くの他人が協同生活している感じですかね。
私は彼女が好きでした。
子供は泥んこまみれで遊ぶべし!の方で外から帰ってきて汚れてなければもう1度行きなさいの人でした。
時はたち、大人になりふと懐かしく思い出したとき、どんな家だったのか、どんな人たちだったのか、全く記憶になかったのに気づきました。あんなにしょっちゅう行っていたのに、です。
駅から、とか家の前に何があったのはなんとなく覚えてる。でもどんな道を通り行ったのか……。
親にそれとなく聞いてみたのですが
「はあ?」
だけ。
同じ時期に時々遊びに行ってた子の家や家族はハッキリ覚えてるのに……。
デイサービスに勤めだしその地区の担当になったときに探してみたのですが見つからず。再開発などなく昔から全く変わってないそうですがみつかりませんでした。
彼女によく連れて行ってもらったスーパーや食堂は変わらず。男の子と遊んだ公園もそのまま。なのに、どこに住んでて、どんな人だったのかは思い出せない。
更に時が経ち、再開発されその地区は綺麗に変わりました。すっかり面影がなくなりました。
もしかして、泊まりに行っていた、というのは私の記憶違いか?と思うことも。
あまりに生々しい思い出ですがそう思うしかないようで。ところが、数日前、父が急に
「☓☓(男の子の名前)は元気なんかな」
と呟いたのが聞こえ、現実だったと確信できました。
でも、一切覚えてないのは何故なんでしょう?
まだまだ話しはつきませんが今日はここまで。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます