第24話 モニターに映るもの

現在、勤務中の施設でのこと。

夜勤では職員が2人で当直となります。


夕飯を済ませ、寝る前の薬を服用していただいて21時くらいに1回目のオムツ交換をします。その後、どちらかが3時間ほどの仮眠時間に入ります。


ここの施設の利用者様は数人を除いて皆が朝までグッスリな方ばかり。

残りの数人もウロウロしたり、トイレに何度も行くくらいで見守りのみで大丈夫。

たまにホールの長椅子で寝る方もいますが部屋へ誘導してベッドで寝ていただきます。


つまり、定時の見守りを除いてはすることがない……。

暇なんです。いいことですがね。


掃除も終わり、定時の見守りも終わり…。

考えうる限りの雑用をしても終わりがきます。当然スマホできないんで何気なくモニターを見てました。


各部屋、ホール、寮母室の前。倉庫の前。

全てに防犯カメラがあります。

操作はわからないんで映っている映像をぼんやりとながめていました。


『これは、倉庫の前で、こっちが……』

と確認しながらみてました。

電気の消えた施設内は昼間と全く違う感じです。


と、何か違和感がある映像が1つ。

非常口の電気が灯っている前の部屋。

ありえないものが何か、映ってる?


どうせ、暇なので懐中電灯持って確認に。


『何も。何もないやん……』

いくら確認しても何もありません。


再び寮母室に戻りモニターを……。

映ってる!


他の非常口の電気が灯っている部屋にはそれはなくて、ただ1つその部屋のモニターには映っているんです。


大小様々な大きさのやや白い感じの透明な丸い物がその部屋を出たり入ったり。

かなりな数が動いてました。


埃なら他の部屋にも映るのにただ1つの部屋だけ。大きさもバラバラで透明感もバラバラ。俗に言うオーブってヤツなんかなって思いながら見てました。


ちなみにですが、その映っている隣の部屋で利用者様が老衰で数日前に亡くなってました。


仮眠からあがってきた相方にモニターを指差すと


「たまに映るよね、そこ」


今日はここまで。次回もこの施設の話しです。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る