第23話 デイサービスにて。3
この施設、普通の民家を買い取って軽くリフォームして、訪問介護やデイサービスの施設として使用していました。
普通の民家、だから所々介護施設で使うにはおかしな箇所がちょいちょいある。
お風呂も、1人ずつしか入れない。
もう、狭い!利用者の入り方によってはこちらが入れなくなるんです。
玄関入って左手がお風呂、右手にトイレその横が炊事場。炊事場は後々、二階に移動となりましたがお偉いさんがいないと食事の方はここで昼食を用意をしてくれてました。
事務用の6畳ほどの部屋。階段を挟んで更に2部屋。全く普通の造りでしょ。
ちょっとした庭もあり、小さな畑で野菜も作ってました。その庭の隅に小学校低学年の子供の背丈ほどの石が1つ、デンッと立ってました。
この石の前に誰かいるって言う利用者様が結構いました。認知症が進んでしまってる利用者様はこの石を怖がったり威嚇したり、大変でした。職員も『なんか、気持ち悪いよね』と。
施設の中で過ごすよりも、軽くお弁当作って近くの公園へお散歩に行くのが多かったです。
なんとなく、『あそこにいたくない』感じだったのかも。
中古物件だったから当然、前の持ち主がいますよね。どうやら最初からそうだったようで持ち主が疲労困憊で売り手を探していたときに社長が見つけて、その時すでにかなり安くしていたのに更にめちゃくちゃ値引きさせて『この値段以下じゃないと買わない。買い手つかないからこの辺で手を打ちましょ』と言ったそう(社長談)。
「階段のそこで体育座りっていうの?こう座ってうつむいてさ。気持ち悪いのよね」(事務員談)。
デイサービスたたむ前に色々話してくれた話がコレで、持ち主が座ってたという場所がよく見られてた場所でして……。
今日はここまで。デイサービスの話はコレでおしまい。次はどんなお話でしょう…。
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