第27話 イルヨ……
高校卒業後、就職した工場での話し。
色々あったんですが一番強烈に記憶に残っていることがあります。
新規支社設立のため、海外へと何人もの社員が海外へと旅立っていきました。
言葉の壁、習慣の違い……。
いろんなことがあったと思います。
当時は今と違い、連絡手段は固定電話のみ。Faxも一般家庭に普及し始めた頃のこと。パソコンもまだ、存在していない頃の話しです。
私は海外企業向けの電話機プログラムの開発、変更などで本社と行ったり来たりを繰り返してました。
本社での仕事も終わり、地元(というのか?)の方で仕事をしていたときに耳にした話し。
『〜の所属長さ、行きの飛行機の中で亡くなったって』
『ああ、〜もその後帰りの飛行機でって』
立て続けに2人の社員が亡くなった話しでした。それもひと月たたない間にです。次は誰?なんてあちこちで囁いてました。
そして…。3人目が。
製造部の班長が亡くなったと聞きました。自死だったらしいです。
それから不思議なことが頻繁に起こるようになりました。
その班長がいつも座っていた椅子がいつの間にか無くなったり。誰もさわらないのに。
班長の班が担当していたベルトコンベアが勝手に動いたりとまったり。
危ないのでベルトコンベアを解体して並べていたんですが、部品が勝手にコロコロ動く。
もう、ホントにいろんなことが起きる。
夜遅く残業してたら足音が聞こえる。
「〜さん(班長の名前)さ、分かったから、椅子置いとくから座って監督してて。頼むよ』
と話しかけた方がいました。班長と凄く仲が良かった方でした。そして、お坊さんを呼んでお経をあげていただきお札をはりました。
時折、椅子が何故かカタカタ動いてはいたもののそれ以外のことは起きなくはなりました。今では工場もなくなり、更地となり学校のグラウンドとして使われてます。
もう、40年近く前の話し。
覚えている社員の方はいるかな?
今日はここまで。
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